良く耳にするのが「◯年で1,000万貯める」などいかに効率良く貯蓄するか、また「貯蓄の習慣をどのようにつけるか」というような本や情報で溢れかえっていますね。一方で「20代には貯蓄の必要性はないのでは?」という考え方も存在しています。その理由と20代の貯蓄の必要性について考えていきましょう。
20代に「貯蓄の必要性がない」と言われる理由
・ 手取りが少ない
そもそも手取り金額が少ないのにそこから◯%と決めて貯蓄をしていこうとすると、日々の生活が我慢や節約の連続で楽しめなくなってしまいます。その結果、仕事やそのほかの事に対してのモチベーションも上がりにくい状況をつくります。
・ 貯蓄よりも自己投資
20代はこれからの社会人としての人生も長く、まだ一人で身軽な時期。この時期は貯蓄をして金銭そのものを貯めるよりも、研修や語学習得、資格取得、MBAなど自己投資に研鑽すべきタイミング。これは自動車会社のフォードを創設したヘンリーフォードも言っており、自己投資をすることで海外で働くチャンスや就職・出世に有利など、その後の人生・収入に大きく差がつく可能性があります。
・ 友人関係や人脈づくりの障害になる
若いうちは友達同士での旅行や食事なども多いかと思います。その時に貯蓄を優先させ、旅行などでほかのメンバーは新幹線や飛行機で移動するのに「お金がもったいないから深夜バスで行く」「もったいないから自分はホテルの部屋で夕食をとる」と言ったらどうでしょう?「あいつは面倒・ケチ」という印象がついてしまうことになり、その結果声がかかりにくくなってしまうこともあるでしょう。プライベートライフはもちろん、ビジネスでも人脈は大切です。「ここぞ」という時にはある程度の出費も覚悟が必要です。
若いうちの貯蓄は必要か?
このように20代には「若いうちに推奨されること」があるために、「貯蓄はしなくても良い」と考えられることがあります。ただし、これは「貯蓄の必要性がない」と言っているわけではなく、20代は「若いうちに必要な投資はすべき」ということを言っているのです。
必要投資をしつつも、「若いうちから貯蓄の習慣をつける」ことは大切です。そのためにも、金額はさておき毎月少しずつでも定期的に貯蓄をした方が良いと言えるでしょう。幼いころの歯磨きと一緒で、「貯金しないと落ち着かない」、そんな状態をつくってしまうことです。そのほかにも貯蓄には緊急時に対応ができるなど、メリットは色々あります。貯蓄がある程度まとまればその分を運用に回し、「お金がお金を生む」循環を作り出すこともできます。
20代は「必要投資と貯蓄の習慣づけ」、この2つを意識して、生活のバランスを見ながら貯蓄の割合や目的、金額などを考えると良いでしょう。