2017年4月から金融庁が定める標準利率が4年ぶりに引き下げとなり、史上最低と言われる0.25%になりました。
日銀のマイナス金利政策が大きく影響していますが、この標準利率の引き下げに伴う形で生命保険会社は保険の運用利回りと言える「予定利率」を引き下げています。
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予定利率引き下げでどの様な影響がある?
そもそも予定利率は保険会社が独自に決めるものですが、契約者から支払われた保険料は国債で運用していますので、国債の運用利回りが低下すれば予定利率も引き下げざるを得ない形です。
予定利率が引き下げになると、契約者が支払う保険料は高くなってしまいます。
既に売り止めになっている保険商品もある
特にこの予定利率の影響を受けるのは貯蓄性の高い保険商品で、終身保険、学資保険、個人年金保険などです。既に保険会社によっては販売を停止しているものもあるので、個人年金保険に加入したくても加入できないというケースもあります。
貯蓄性の高い保険に加入する時に注意したい事
例えば終身保険などを、貯蓄代わりに生命保険を活用する方法は間違いではありません。しっかりと保険料を支払い続ければ、支払った保険料総額を上回る解約返戻金を受取る事が出来ますし、預貯金と違って万一亡くなった時の保障も付きます。
しかし途中で解約してしまうと保険料総額より受取る額が少なくなる元本割れが発生しますので、数十年という長期に渡り保険料を支払い続ける事が出来るかがポイントです。
貯蓄性の高い保険でも学資保険や個人年金保険の場合には、将来受取る事ができる保険金を契約時に設定します。
将来受取る事ができる金額は事前に確定されますので、例えば今が個人年金保険に加入するタイミングかどうかを判断したいのなら、支払保険料総額と保険金額を比較していくら増えるかを確認すると良いでしょう。
目的に応じた金融商品の使い分けも必要
日銀の金融政策はしばらく続く事が予想されますので、予定利率も低い水準のままでしょう。保険で財産形成を行う事が難しくなってきた事の表れです。
これまでの様に貯蓄と保障を兼ね備えた形で生命保険を使って運用するよりも、保険は保障目的で掛け捨ての保険料が安いものに加入し、貯蓄は別の形で検討するといった方法もあります。
目的に応じて金融商品を使い分けていく事も必要な時代だと言えるでしょう。
個人年金保険に加入するならいつ?
ある調査では個人年金保険に加入している世代は20代が最も多く、やはり今後の公的年金制度に対して不安を感じ、自らで老後の生活費や備えを行うべきだという考えが浸透している結果だと言えるでしょう。
確かに個人年金保険に加入するなら、なるべく早いタイミングで加入した方が、毎月負担する保険料を低く抑える事ができます。ただし支払う保険料総額と実際に受取る保険金を比較し、どのくらい増えるかなどを確認した上で決めましょう。