投資というと、どうしても「素人には難しいもの」というイメージがあります。ですから、プロに任せられる「投資信託」なら少額からでも始められるし安心といったイメージを持つかたも多いと思います。しかし、投資信託はきっちりと理解していなければ損をしてしまう商品なのです。今回は投資信託が持つデメリットについて説明したいと思います。
投資信託の最大のデメリットとは
投資信託の最大のデメリットは何と言っても手数料がかかることです。手数料を気にしない人は多いのですが、手数料分の値上がりがなければ投資はマイナスになってしまいます。しかも、運用成果があがらなくても手数料は支払わなくてはならず、一番気をつけなければならないところなのです。
投資信託の手数料は大きく分けて3種類あります。
①販売手数料
購入時に販売会社に支払う手数料です。購入価格の1~3%が相場ですが、商品や証券会社によっては無料のケースも増えてきました。なお、販売手数料が無料の投資信託を「ノーロード投信」と呼びます。
②信託報酬
実際に投資信託の運用をおこなうのは販売窓口である銀行や証券会社ではなく運用会社で、その運用会社に支払うのが信託報酬です。売買時にではなく、投資信託を保有している限りずっと発生するので、長期になるほど高額になります。
③信託財産留保額
投資信託を解約する際にかかる手数料です。投資家が投資信託を解約すると、現金の調達や資産配分の組み換えにコストが発生するため、解約時に信託財産留保額という形で解約者が支払います。しかし最近では一定期間以上保有していると無料になるファンドも多く、もともと無料のものも増えてきています。
日本の投信手数料は世界的と比べるとかなり高い
日本の投資信託の手数料は分かりにくい上に高すぎるという評価があります。
金融庁の森長官の言葉をそのまま引用すると、
「日本で売られている公募株式投信は5406本ありますが、そのうちインデックス型株式投信は381本です。これから、複利の利益が得られない毎月分配型の投信、レバレッジのかかった投信、信託期間が短く長期投資を前提としていない投信を除き、ノーロードで信託報酬が一定率以下のものに限ると、積立NISAの対象として残ったものは50本弱でした。ところが、同じ基準を米国に当てはめてみると、全く異なる結果となります。米国で残高の大きい株式投信については、上位10本のうち8本がこの積立NISAの基準を満たしています。一方、我が国の残高上位30本の株式投信の中で、この基準を満たしているのは29位に一本あるだけです。」
つまり、日本の投資信託の販売方法や手数料のあり方が「顧客本位とはいえない」と指摘しているのです。
そして金融庁が出している資料によると、日米の投資信託売れ筋上位5商品の販売手数料が掲載されており、アメリカが0.59%なのに対し日本は3.2%と、日本はアメリカよりも販売手数料が5倍も高いのです。
これを受け金融機関は変わり始めています。積立NISAが開始され今後どんどんと顧客本位な投資信託が出てくると思います。皆さんも投資信託をはじめるときは手数料に注意してみてください。