夫婦の場合とはまた異なる、女性の老後資金と貯蓄事情。夫婦と異なり子供や孫への出費は少なくなりますが、女性特有の出費もあります。老後資金や貯蓄について、独身女性のケースを見ていきましょう。
女性に大きい「消費と浪費」の混同
まず女性に多いのが、「消費」と「浪費」を混同しているということです。消費は生活をするために最低限必要な支出を指しますので、例えば友人との旅行や美容品類、服飾費などは消費ではなく、浪費に該当します。もちろんそれらが悪いといっているわけではなく、消費とは区別して考えることが大切です。
まずは消費に必要な金額をはっきりさせた上で、収入から計算した貯蓄分を確保し、その次に趣味嗜好などに必要なお金を支出するようにしましょう。
老後のために必要な貯蓄を考える
老後のためには、どれくらい貯蓄をすればよいのでしょうか。一般的には65歳の年金受領開始までに3,000万円程度と言われていますが、ライフスタイルや家族構成によって実際は多少個人差があります。必要な貯蓄額は生涯の収入と支出を計算することで、ある程度目安をつけることが可能です。
現役時代:収入(給与、保険満期金など)−支出(生活費など)=貯蓄
リタイア後:収入(主に年金)−支出(生活費など)=差額を貯蓄で補填
正社員であれば退職金や給与もある程度保証され、定年も65歳までということが少なくありません。一方で現在非正規の方は、契約満了後や年齢を重ねると難しくなっていく再雇用事情を認識し、働けるうちにしっかりと貯蓄をしておくことが必要です。
貯蓄は「自動で増やす」という考えにシフトしよう
一般的に意味を混同している人も多い「貯蓄」と「貯金」。貯蓄は貯金のことだ思っている人もいるのではないでしょうか。貯金は「お金を貯める行為そのもの」を指し、貯蓄は「金融資産全体」のことを指します。給料から毎月天引きされる貯金は、貯蓄の一部にすぎません。
毎月決まった額をコツコツ積み立てることも大切ですが、その積立額で65歳までに3,000万円たまるでしょうか?仮に5万円を毎月20年貯金できたとしても、1,200万にすぎません。
現在貯蓄方法として貯金のみという人は、ぜひ投資などの運用へシフトしていきましょう。例えば投資信託のインデックスファンド(日経平均株価・TOPIXなどの「株価指標」と同じような動きをするように作られた投資信託の一種)
の場合、平均利回りは4〜6%と言われています。中間の5%をとって、毎月5万円、20年間積み立てると総額は約2千万円となります。800万の差は大きいですね。
将来資金を考えた時に、貯金だけでは目標額達成に限界があります。投資・運用という手法も視野に入れ、自動的にお金が増えて行く貯蓄方法もぜひ検討してみましょう。