総務省行った2人以上で暮らす全国約8,000世帯を対象にした調査によると、1世帯あたりの平均貯蓄額は過去最高の1,820万円で4年連続増加傾向にあるようです。
年金制度に不安を感じるのは、10年や20年後に老後を迎える世代だけでなく、20代や30代の間でも同じである結果かもしれません。
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現在までの平均貯蓄額の流れ
これまでの平均貯蓄額を確認してみると、バブルが崩壊して景気が回復してきた2002年が1,688万円、リーマンショック後の2009年は1638万円、マイナス金利が始まった2010年には1,820万円、そして2017年現在1,820万円と増えつつあります。
また、全世帯の67.7%が1,820万円に届いておらず、4,000万円以上貯蓄がある世帯が約12.6%いる反面で、100万円未満の世帯も約10.5%います。一部の富裕層が平均貯蓄額を押し上げている結果だとも考えられるでしょう。
貯蓄の内訳
さらに貯蓄の内訳はどのようになっているかというと、
・定期性預貯金39.9%
・通貨性預貯金22.6%
・生命保険等20.8%
・有価証券14.6%
・その他金融機関外
という結果になっており、貯蓄の6割以上は預貯金に充てられている事が分かります。
高齢になると医療や健康に不安を抱える
また、消費支出の10代費目別内訳と構成比で、世帯主65歳以上の2人以上の世帯と65歳未満の世帯を比較した場合、65歳以上の世帯は「保健医療」が1.69倍と最も高い結果です。
その内訳は、「健康保持用摂取品」が2.67倍
で、健康を維持・増進するための保健医療に対する支出の割合が大きく占めていると言えるでしょう。
何を目的に貯蓄をしている?
実際に1世帯あたりどのくらいの平均貯蓄額なのか、またどのような金融資産で貯蓄し、老後にはどのようなことにお金を使っているかを確認したところで、今貯蓄をしている人が何を目的としているかを確認しましょう。
金融広報中央委員会が実施した調査で確認すると、金融資産の保有目的で最も多かったのは、単身世帯や2人以上の世帯いずれも「老後の生活資金」です。次いで「病気や不時の災害への備え」という結果でした。
年代別に確認した場合には、20~30歳代は「こどもの教育資金」と「病気や不時の災害への備え」、40歳代になると「こどもの教育資金」と「老後の生活資金」、50~70歳以上では「老後の生活資金」と「病気や不時の災害への備え」という回答が多かったようです。
貯蓄の目的は預貯金だけで達成できる?
まず老後の生活資金を考えた場合、夫婦で3,000万円や5,000万円必要だと言われていますし、子どもの教育資金は大学まで国公立に通わせたとしても1人1,000万円かかります。
これらの資金を準備する時に、現在貯蓄で最も多く充てられている預貯金を利用していて良いのかという疑問が生じます。
現在金利は低く、銀行に預けていてもまず増えることは期待できませんし、物価が上昇すれば預金していたお金は数十年後価値が目減りすることになります。
貯蓄に不足が生じないようにするために
老後にどのような費用が必要か考えた時、今1万円で購入できるものは将来同じ額では購入できなくなり、不足が生じる可能性があります。
今後、効率的に様々な資金を準備することを考えるなら、預貯金だけにお金を寝かしておくだけで本当に良いのか、今一度検討してみましょう。