老後生活に対する不安はいつまでも健康でいられるのか、そして生活資金は足りるのかなどでしょう。
このうち生活資金が足りるかという問題は年金制度に対する不安が関係していますが、自分で貯蓄をするなど備えによる準備をすることで多少なりとも解消できます。
老後資金を準備する方法として「個人年金保険」に加入している人も多くいますが、どのようなメリットとデメリットがあるのか、内容を良く理解した上で検討しましょう。
公的年金だけでは老後生活できない?
老後の生活を支える日本の公的年金制度は、20歳になると全員が加入することが義務づけられています。保険料を納め終わる60歳までの40年間、どのように働き収入を得るかで納める保険料総額も人それぞれです。
さらに保険料納付期間や保険料総額で、将来受取る年金額にも差が生じることになるでしょう。
年金受給が開始されてどのくらいの年金額を受取ることができるか、将来的なことは誰にもわかりません。受給開始年齢が引き上げられる可能性も、受給額が減額される可能性もあると言えるでしょう。
さらに今後物価が変動することで、お金の価値も変わることになりますので自助努力により年金の補填が必要になると考えられます。
個人年金保険に加入するメリットは?
現在は超低金利とも言われる時代ですので、銀行などの預貯金で積み立てるよりは個人年金保険で積み立てたほうが最終的に受取る金額は大きくなる可能性は高いと考えられます。
また、銀行の預貯金だとついお金を引き出して使ってしまいがちですが、保険という形で契約するので簡単に解約しづらいという面で貯蓄に対する強制力があります。
個人年金保険も途中解約はできますが元本割れなど損をすることになるので、解約にブレーキをかけることができるでしょう。
所得控除の対象にもなる!
そして個人年金保険は所得控除の対象です。年末調整や確定申告の時に、一般の生命保険料控除と別枠で個人年金保険料控除を受けることができるので、総合的に見ると利率を上げることができるとも考えられるでしょう。
ただし個人年金保険料控除を適用させるには一定要件を満たすことが必要ですので、契約時に対象となる契約かどうかを確認しておくようにしましょう。
反対に個人年金保険のデメリットは?
資産形成を安定させるために有効な個人年金保険にもデメリットはあります。
まず保険を扱う保険会社が破綻してしまうといったリスクです。仮に保険会社が破綻したとしても、「生命保険契約者保護機構」によって一定額は保障されます。しかし将来受取ることができる年金金額が減額になる可能性は高いでしょう。
また、運用利率が確定型であれば将来受け取る年金額は契約時に決まります。将来的にインフレが起こった場合には、契約をした時点のお金の価値より年金を受取る時点のお金の価値が低くなるといった価値の目減りによるリスクを理解しておきましょう。
老後資金の準備を考えるなら
しかし何らか形で老後資金の準備をしていくことは必要です。保険商品を活用して準備する場合には、メリットとデメリットを十分理解した上で検討する必要があります。内容を把握した上で、自分に合う金融商品を選ぶようにしましょう。