皆さんは「老後破産」という言葉を御存じでしょうか?
老後破産は、まだ仕事をしている年齢の時に十分な貯蓄が出来ず、老後の生活が苦しくなってしまうことを指します。
計画的な貯蓄はもちろん大事ですが、その前に老後に必要な生活費を知っておきましょう。
貯蓄をしっかりしているという自負があっても、老後に必要な額を把握していないと生活に支障が出てしまうかも知れませんよ。
老後の生活費はどれくらいの額が必要?
老後に必要な生活費は、ファイナンシャルプランナーや生命保険会社など様々な専門家によって算出されています。
ファイナンシャルプランナーの資格を統括している「NPO法人日本FP協会」が算出したデータによると、独身の方が老後に必要な生活費の月額は以下のようになっています。
・最低限必要な老後の生活費:月154,000円
・老後の生活に余裕を持たすために必要な生活費:月245,000円
参考:NPO法人日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/know/info/column/20140613.shtml
この生活費を年間の金額に置き換えると以下のようになります。
・最低限必要な老後の生活費:年1,848,000円
・老後の生活に余裕を持たすために必要な生活費:年2,940,000円
もちろん住宅ローンの返済が終わっているかなどによって、生活のゆとりには個人差があります。
また子供が1人立ちしている家庭と学生の家庭でも大きく必要な額は変わってきます。
この金額は、あくまで1つの目安だと考えましょう。
平均余命から考える老後の生活に必要な生活費
平均余命とは、皆さんが良く知る「平均寿命」とは異なります。
平均寿命は0歳から人が何歳まで生きるかというのを平均化したものですが、平均余命は「65歳から人が何年生きるのか」というのを平均化したものです。
厚生労働省のデータによると、男性の平均余命は19.29歳、女性の平均余命は24.18歳となっています。
つまり、男性は65歳から平均84.29歳まで、女性は89.18歳まで生きるのが平均ということになります。
先ほど紹介した「最低限かかる老後に必要な生活費」と「老後の生活に余裕を持たすために必要な生活費」の丁度中間を取ると、必要な生活費は2,400,000円となります。
65歳からの生活では、男性は2,400,000円が約20年必要になります。
女性は65歳から2,400,000円が約25年必要ということになりますね。
つまり、65歳から必要な生活費は以下のようになります。
・男性:約4,800万円
・女性:約6,000万円
※独身世帯の場合
貯蓄額は老後の生活に大きく影響する!
金融広報中央委員会によって行われた世論調査によると、60歳以上の方の平均貯蓄額は1,509万円です。
この貯蓄額は年金を含んでいないので、この金額に年金の受給分をプラスした額が老後生活を送っていくための資金になります。
ただし、独身の方でも老後の生活費は約4,800万円、夫婦の方であれば倍の約1億円程度が必要とされています。
年金の受給額も個人差が大きいので、少なくとも60歳までに平均額以上の貯蓄をしていないと、安定した老後生活を送れるとは断言出来ません。
参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/stat/stat002.html