長期間保有することで最終的なリターンを得る積立感覚の投資信託は、運用をプロに任せられある程度放置することもできるため、忙しい会社員にも人気です。投資信託は長期間保有することとで利益が確保しやすいということもあり、売却のタイミングに悩むこともあるでしょう。
売却のタイミングは、売り手がどうしたいのかによって異なります。今回は指針となる売却タイミングについてみていきましょう。
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売却タイミング1 目標金額を達成したとき
投資信託に限らずですが、投資を始める時は「いつまでにいくら確保するのか」、目標を決めましょう。子供の進学資金に300万、住宅資金に500万など、お金が必要な目的を考えると、自然と目標金額は定まってきます。「何となく貯金ではもったいないから投資信託をはじめた」という人もいると思いますが、こういった人は目先の損益で行動してしまいがちなので注意をしましょう。
売却する時には、誰でもリターン(利益)を意識すると思いますが、目標金額に達成した時が一つのリターン確定時期と言えます。欲を出して目標達成後に持ち続けると、損益を出してしまう可能性もあります。目標金額を達成した時に潔く得る、これが一つの売却タイミングと言えます。
売却タイミング2 純資産残高が減っているとき
保有するファンドの純資産残高が減少している時は、多くの投資家がその投資信託を解約していたり、分配金を支払いすぎて資産規模が減少していたり、そもそも運用成績が悪化している可能性などがあります。
ファンドの資産規模が小さくなると、今後の運用が効率的でなくなる可能性が出てきます。純資産残高が減っているから即売却、とはなりませんが、売却タイミングを検討する一つの材料となるでしょう。
売却タイミング3 運用方針が変更となった場合
投資信託は運用方針に沿って運用されますが、保有している商品のファンドマナージャーや運用会社が途中で変わる可能性があります。そうなると分配方針などが変わってくる可能性もあり、場合によっては売却した方が良いケースもあります。
売却タイミング4 自分で決めた損失許容幅を超えた時
他の投資方法に比べて比較的安全性が比較的高い投資信託でも、必ずリスクはあります。最終的に資産が減ってしまう可能性もあり、あらかじめマイルールを定めておくことが大切です。
例えば「利益が投資額の20パーセントを超えたら、利益分は売却する」「損益が出て投資額の60%になったら売却する」など、自分で「ここまでの損失は許容範囲」と決めて、その損失を上まわった時は売却のタイミングであると言えるでしょう。
売却のタイミングについては、基本的に目標達成時など「利益が確定=収益が出た時に売却」が大原則となりますが、自分がどうしたいかによってそのタイミングは異なってきます。また運用をプロに任せられるといっても、放置しすぎると運用方針の変更や純資産残高の減少に気がつかず、気がついた時には損益を出しているということになりかねません。時々自己所有の投資信託を確認しながら、売却のタイミングについて方針を立てておくと良いでしょう。