「確定申告は面倒」と、つい後回しにしてしまいがちですが、実は確定申告の方法は年々進化しています。税務署にわざわざ行く必要がないのはもちろん、今やスマートフォン(スマホ)でも確定申告ができるのをご存じでしょうか? 特にコロナ禍にある今年の確定申告は自宅で済ませるのが基本。そこで、ここでは2021年の確定申告の日程など基本情報と、確定申告をスマホで行う方法を解説していきます。
確定申告の方法は3種類
確定申告は、前年の1月1日~12月31日までの1年間の所得額を計算して所得税額を確定するために行います。2020年分の確定申告の期間は、2021年2月16日(火)~3月15日(月)となっています。
確定申告をする方法は主に以下の3種類です。
① 申告書類を税務署や国税庁のホームページから入手し、必要事項を記入して税務署に直接提出または郵送
② 国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で必要事項をフォームに入力し、それをプリントアウトして直接提出または郵送
③ ②と同じく「確定申告書等作成コーナー」で書類を作成し、e-Taxで送信
このうち最も手軽なのが③のe-Taxでの申告。紙でのプリントアウトが不要で、ウェブ上で記入、送信することで申告が完了します。しかも、e-Taxは源泉徴収票や領収書の添付も必要ありません(領収書は5年間の保存義務がある)。しかも、スマホを利用すれば手元で作業をすべて完了することができます。また、②の方法を利用し、スマホで必要事項を入力・プリンターに接続して書類を出力することも可能です。
とくにコロナ禍の今は、混雑する税務署にわざわざ出向かずに自宅で確定申告を済ませるのが基本。国税庁もe-Taxでの利用を勧めていますし、混雑緩和のため、確定申告会場への入場には事前に「入場整理券」を入手する必要があります。税務署に電話すれば相談もできるので、直接確定申告会場に行くのは極力控えるようにしましょう。 ※詳しくは国税庁「確定申告会場への来場を検討されている方へ」参照
自宅でパソコンを使って作業してももちろん構いませんが、「スマホのほうが楽」という世代も増えています。そんなニーズに応じてスマホでの確定申告も整備されてきているので、ぜひスマホで申告をしてみましょう。
スマホで確定申告をするための準備
では、具体的にスマホで確定申告するために必要なものを見ていきましょう。
【スマホでの確定申告に必要な書類等】
【スマホでの確定申告に必要な書類等】
①源泉徴収票
②医療費の明細類や寄付金受領証明書など、控除を受けるために必要な書類
③還付金を受け取るための口座情報(銀行通帳等)
④e-Taxの場合
・「マイナンバーカード方式」:マイナンバーカード読み取り対応のスマホ
・「ID・パスワード方式」:「ID・パスワード方式の届出完了通知」
ちなみに、パソコンでe-Tax(マイナンバーカード方式)をしたいという場合、マイナンバーカードを読み取るのにICカードリーダライタが必要だったり、無い場合はスマホとのペアリングが必要だったりと少し面倒ですが、スマホでの申告であれば、直接マイナンバーカードを読み取れるため、そういった手間が省けるのもメリットです。
※参考:マイナンバーカード方式で申告するための準備
一方、マイナンバーカードを持っていない人がe-Taxを利用したいという場合、「ID・パスワード方式」で申告することになります。その際には「ID・パスワード方式の届出完了通知」という書面が必要。この書面を入手するには税務署の職員による対面確認が必要になります。運転免許証など本人確認書類を持ち、早めに税務署に行きましょう。
※参考:ID・パスワード方式で申告するための準備
なお、ID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定措置です。今後はマイナンバーカード方式が主流になること、そしてマイナンバーカードが2021年3月から健康保険証としても利用できるようになることを考えれば、早めにマイナンバーカードを取得することをおすすめします。ID・パスワード方式の届出完了通知の入手も、マイナンバーカードの入手もしたくないという場合は、e-Taxではなく書面で提出しましょう。
スマホで確定申告をする流れ
スマホで確定申告する際には、まず国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をタップします。すると、「申告内容に関する質問」が表示されるので、いくつか質問に回答していきます。ここの質問で、「e-Tax(マイナンバーカード方式)」、「e-Tax(ID・パスワード方式)」、「書面」の3つから提出方法を選択します。選択によって申告手順も変わるため、画面の指示に従って進めましょう。
下記「令和2年分の確定申告に関する手引き等」の「8 スマホ申告に関する手引き等」に最新情報が掲載されますので、手順等がわからなくなった場合には参考にしてください
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2020/index.htm
昨年までは、「直接税務署に行って、担当者に質問しながら確定申告する」という人もそれなりにいたでしょう。しかし、今年は家で確定申告の作業を進め、不明点は電話で問い合わせるほうがベターです。スマホでの確定申告は2019年にスタートしたばかりですが、年々使いやすく進化してきています。もちろんパソコンでの申請でも問題ないので、自分に合った作業方法を選び、早めに申告を終わらせましょう。