50代になると定年退職まであと10年を切ることになり、リタイアなんてずっと先だと思っていたのに身近になることで戸惑いを覚える人もいるでしょう。
50代になってから今さら資産形成なんてしても意味がないと思うかもしれませんが、10年かけて備えることでリタイア後の生活も変わります。今からでも遅くないので、将来に備えた資産形成を考えて行きましょう。
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子供が独立した後だからこそ
一番末の子が誕生した時の自分の年齢が30~35歳くらいの場合、50代前半だとまだ大学などで学んでいる最中でしょう。家計のうち教育費が占める割合が大きいという状況ですが、50代後半になって子供が独立して家計が楽になっていくはずです。
貯蓄に充てることができる額が増えるので、生活を切り詰めることなく資産形成が可能だとも考えられます。
そのためにはまず、退職までにいくら貯蓄が必要かを考えて行く必要がありますが、公的年金の受給額や企業年金、退職金の有無などでそれぞれ異なります。
一般的なケースだとどのくらい準備が必要?
退職後にどのような生活を送るかによっても準備が必要な額は異なりますが、一般的な例で考えていくと退職後は住宅ローンや教育費がなくなります。
さらに将来のために貯蓄することや生命保険なども多くは必要なくなるので、リタイア後の生活費は50代の手取り収入の5割くらいにおさまるでしょう。
一般的平均的なサラリーマン家庭なら公的年金は現役時代の生活費の6割くらいはカバーできるので、退職後の生活費で考えると8割から9割はカバーできることになります。
そのため不足が生じる生活費の1~2割分を準備することになります。
生活費プラス予備費が必要
平均寿命から考えた場合、80歳まで生きるとして約20年分の生活費が必要ですので、仮に退職後の生活費が350万円、年金では賄えない部分が60万円なら20年分で1,200万円必要です。
しかしこれはあくまでも生活費だけの計算なので、ここに家のリフォーム費用や病気・介護などに備えるお金を加えて準備していきましょう。
また、自営業者の場合は国民年金を満額受取ることができる夫婦でも生活費の3~4割くらいで、さらに退職金もなく遺族厚生年金なども受取れません。そのため65歳の年金受給年齢に達するまでに年収の6~8割は貯蓄しておくことが必要です。
運用はインフレに強い方法で
退職までの10年で準備するとしても、10年後にその全てを引き出すわけではないので、10年以上で長期運用を行うようにしましょう。
銀行の預貯金などは元本が保証される安全な資産ですが、インフレになると物価上昇が預貯金の金利を上回って実際の価値が目減りします。
そのため将来の物価上昇に備えて、インフレにも強くお金の価値が目減りしない運用方法を実践することも必要です。
インフレに強い運用方法とは?
例えば退職後用の貯蓄の3~5割を株式に投資すればインフレに備えることもできるでしょう。しかし個別で株式に投資することはリスクも高く、専門知識も必要です。
このような場合には、株式投資信託を利用すると特別な知識は必要なく、一口1万円前後から購入していくことができます。
毎月1万円ずつなど定額で積立ていくことにより、買う時期を分散させるので価格変動に一喜一憂することもありません。
50代は将来のリスクに備えることができる形で運用を
子供が独立すれば貯蓄に充てることができる額も増えますので、自分の好みや相場の状況に合う投資信託で運用してみましょう。
株式投資信託でなくても、その時の状況に合わせて債券や公社債投資信託など長期で利回りが高くなるものを選んで組み合わせていくと良いでしょう。