現在の契約を活用して新しい保険に契約をする方法を「転換」と言います。契約中の積立部分や積立配当金を頭金のように新しい契約の一部に充てるという方法ですので、元々の契約は消えてなくなります。
主契約と特約の組み合わせ、保障額、保険期間、保険料、払込方法、払込期間、配当方法というように、色々なことを総合的に変更して新しく契約し直すことができるため、保険の見直しという意味ではメリットがあると思うかもしれません。
しかし転換前と転換後で内容がどのように変わるのかをしっかり理解し、納得した上で契約しなければ損をすることもありますので注意が必要です。
お宝保険の転換はちょっと待った!
例えば最高で予定利率は5.5%や6%だった時代もあります。その時期に加入した個人年金保険などは、今加入したくても加入できない商品です。
予定利率が高い時期に保険料を設定していますので保険料は安く、前納率が高い時期の全期前納契約であれば大幅に割引されているでしょう。
そのようなお宝保険と呼ばれる保険に加入している場合、生命保険会社が逆ザヤ解消のため予定利率の高い個人年金保険や終身保険などから予定利率の低い商品へと転換を勧めるといったケースもあったようです。
・逆ザヤとは?
90年代以降に株安や金利低下により運用収益が契約者に約束した予定利率を下回るといった状態が逆ザヤと呼ばれる状態で、保険の転換が増加して社会問題となりました。
保険会社から納得のできる説明はあったか確認を
もしも転換制度の利用を勧められた場合には、保険会社から転換以外の方法や転換後の新旧契約の内容の違いについて書面を用いた説明が義務付けられています。しっかりと内容を十分に理解できる説明があったのかを確認しましょう。
転換利用後の保険料は?
転換は同じ生命保険会社で利用する必要がありますし、転換制度を利用する時点の年齢や保険料率で保険料が再計算されます。
転換時の予定利率が既契約の予定利率より下がる場合、保険種類によっては保険料が引き上げられます。
なお、生命保険会社により取扱基準が異なりますし、転換制度自体取り扱っていない場合もあります。
安易に契約してしまわず専門家に相談を
転換制度は新規で保険の契約を行う場合と同じ様に、クーリングオフ制度の適用の申し出も可能なケースもあり、金融庁の規制によって転換前後の保障内容を比較する資料を使った説明が行われることが必要です。
損をする転換を勧められるケースは耳にすることも少なくなり、沈静化したようにも感じますが高い予定利率の契約を減らしたいというのは保険会社の本音だとも考えられます。
そのため必要のない転換を勧められた場合や、損になる契約なのでは?という疑問がある場合には安易に契約せずに専門家に相談してみることが望ましいでしょう。