老後の備えに個人年金保険に加入している人も多いと思います。契約の時は保険料に無理がなく、ゆとりを持って支払いができるように設定していたつもりでも、状況や生活環境の変化によって保険料の支払いが厳しいと感じてしまうことがあるかもしれません。
保険料の支払いが家計を苦しめている場合には、もういっそ契約を解約してしまうしかないと思うかもしれませんが、解約以外に個人年金保険を継続できる方法もあります。
支払う保険料を減額する方法
個人年金保険で支払う保険料を少なくするためには、契約時の年金額から一定金額単位で減額することで可能です。
例えば将来100万円の年金を受取ることができる契約になっている場合には、10万円単位でいくらまで減額できるかなど、保険会社によって異なります。
減額することで受取る年金額は最初に契約した時よりも少なくなりますが、年金原資が目減りするわけではありませんので損はありません。
・解約は損になる?
ただし解約をした場合には、それまで支払った保険料に応じた解約返戻金を受取ることができるでしょう。ただし諸経費などを差し引かれることにより、年金原資から金額は目減りしてしまいます。
元本を下回ってしまう可能性が高いため、損をすることを理解の上で解約することになるでしょう。
払済保険に変更する方法
減額という方法以外にも、解約返戻金をもとにして保障金額の少ない保険へと変更する方法もあります。
この払済保険という方法では、保険料の払込がストップできますので保険料を全く支払えないという場合には利用したほうが良いでしょう。
払済保険にする時点の解約返戻金をもとにして、保険期間は変えずに保障金額の少ない同種類の保険や養老保険に変更します。
ただし解約返戻金をもとにするため、原資が諸経費など差し引かれ目減りしてしまうことは理解しておきましょう。
・予定利率が高い場合は払済保険に!
払済保険では年金の受取開始年齢に変更はありませんので、年金開始までは保険会社が当初の予定利率で年金原資を運用していきます。
そのため予定利率が高い時期に個人年金保険に加入している場合、保険料の支払いをストップして払済保険に変更したほうが高い運用利率で運用できるためメリットがあります。
・払済保険にする場合の注意点
ただし特約などがくっついている契約の場合には、払済保険に変更した時点で特約は解約になりますので注意しましょう。
さらに契約から年数が経過していなければ保険料が積み立てられていませんので、払済保険に変更できる個人年金保険は、「個人年金保険料税制適格特約」が付帯されている契約後10年経過した契約であることが必要です。
家計の状況が変わったら
契約当初は保険料の支払いがスムーズだったのに、途中から家計の状況などが変わり保険料の支払いが継続できなくなってしまうこともあるでしょう。
その場合には解約してしまわなくても契約を続けることができる方法もありますので、状況に応じて活用すると良いでしょう。