公的年金や企業年金など、これまでの年金制度は確定給付年金という国や企業が将来の年金額を約束するものです。
確定拠出年金は加入者が資産運用することで、給付される年金額が運用次第で異なってくるという特徴があります。
将来の資産形成の手段として確定拠出年金に注目する人も増えていますが、どのようなメリットがあるかを理解した上で検討するようにしましょう。
確定拠出年金のメリット
確定拠出年金には個人型と企業型がありますが、主に次のようなメリットがあります。どのような部分にメリットがあるのか、自分の生活スタイルなどに合う内容かを確認してみましょう。
・全額所得控除の対象
個人拠出の場合、確定拠出年金の掛金は全額所得控除の対象になります。個人型では自営業者なら月68,000円、年間816,000円まで掛金を拠出できますが、全額所得控除の対象です。サラリーマンなら月23,000円、年間276,000円まで掛金を拠出でき、こちらも全額所得控除の対象となる上に所得税は年末調整で還付されます。
なお、企業型の場合には本人が上乗せ拠出した金額分に対して同様のメリットを受けることができます。
・運用益は非課税
さらに一般の金融商品の場合、得た利息は源泉分離課税(20.315%)の対象ですが、確定拠出年金の運用益は非課税です。
・その他控除の対象に
また、運用成果を年金もしくは一時金で受取ることになりますが、年金で受取る場合には他の公的年金と合算して公的年金等控除、一時金なら退職金などと合算して退職所得控除が受けられます。
・運用管理費用が安い投資信託商品を利用可能
確定拠出年金向けの投資信託は、運用管理費用が低めに設定されていることも特徴です。一般向けファンドは購入時手数料が約2%必要ですが、確定拠出年金向けファンドの場合、購入手数料はかかりません。また、運用管理費用も一般向けファンドより安く設定されています。
細く長い資産形成に活用できる方法
他にも企業型確定拠出年金の場合には社外に拠出金を積み立てることで、仮に倒産しても保護されるといったメリットもあります。
特に税制優遇措置が大きいなど、様々な点においてメリットが大きいと感じる確定拠出年金ですが、やはりメリットもあればデメリットもあります。
デメリットとしては拠出金が60歳になるまで受取ることができないため、途中で引出したい場合など短期的な資産形成には向かないと言えます。
しかし途中で引出せないことデメリットと感じるかもしれませんが、その反面で長期間において着実に資産形成することが可能になります。無理なく細く長い資産形成に取りんでいきたいなら、確定拠出年金を活用すると良いでしょう。