老後資金を貯蓄するために個人年金保険は本当に有利な商品?

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老後の資金を貯めることが目的の保険商品に「個人年金保険」があります。個人年金保険は数十年間に渡り保険料を払い続け、老後を迎えた時に年金を受取るというもので、貯蓄を目的として生命保険商品になっています。
保険なので預金よりも毎月保険料を支払わなくてはいけない義務感のようなものが生じやすいため、継続しやすいという部分ではメリットです。ただし老後資金を貯めていくために有利な金融商品かを考える必要があります。

 

個人年金保険の戻り率とは?

保険会社が個人年金保険のパンフレットなどに「戻り率」を示していますが、これは払い込んだ保険料総額に対していくら年金を受取ることができるかをあらわします。
例えば戻り率105%の個人年金保険の場合、支払った保険料を5%上回る金額の年金を受取ることができるということになります。
しかし年利回りで換算した場合、例えば20年間保険料を支払い続けた時の戻り率が105%だとすると0.1%になります。この年利回りは20年間固定されますので、金融商品として魅力が高いというと価値観次第というところではあるでしょう。

 

個人年金保険は途中で解約すると元本割れする可能性大

生命保険契約者に対して保険会社が約束する運用利回りを予定利率といいますが、この予定利率が高ければ保険料は安くなります。しかし近年では予定利率は下がっているという点は理解しておく必要があります。
さらに何らかの理由で個人年金保険を続けられなくなり、中途解約してしまうと多くの場合は解約時に受取ることができる解約返戻金の額が払込保険料総額を下回ることになるでしょう。
せっかく保険料を積み立てても元本割れしてしまうと意味がありませんので、払い続けていける保険料かどうかを確認した上で契約することが大切です。

 

個人年金保険の種類について理解を

個人年金保険にも種類があり、円建てのものから外貨建てのもの、変額タイプのものなど様々です。老後資金の備えを目的として加入するものですが、種類によって特徴が大きく異なりますのでどの種類のものが良いかを確認しておきましょう。

・円建ての個人年金保険
一般的な従来型の個人年金保険が円建てのものです。保険料支払いも年金受取りも円で行われますが、国内の予定利率は現在低い状態なので増やすという意味では期待できませんが、契約時に将来受取ることができる年金が確定しますので確実性を望む場合に選択したい個人年金保険と言えるでしょう。

・外貨建て個人年金保険
米ドルや豪ドルなど、外貨で運用される個人年金保険です。海外の利率は高めですので、円建てよりも有利な運用が期待できます。ただし為替変動の影響を受けますので、将来円安なら受取る年金は増えるものの、円高の場合には想定していた金額を下回る可能性があります。さらに換金する際の為替コストも発生することを理解しておく必要があるでしょう。

・変額個人年金保険
支払った保険料の中で積み立てていく部分が、国内外の株や債券などを含む特別勘定で運用される個人年金保険です。運用結果次第で将来受取る年金額が変わるため、将来いくら受取ることができるかわかりません。元本割れリスクもあるため、投資性の高さについて理解しておくことが必要です。

 

続けられる保険設計をした上で加入を

いずれの個人年金保険に加入する場合でも、老後を迎えるまでの間保険料を払い続けることができるかを確認しておく必要があります。
途中で解約してしまえば元本割れすることになりますし、変額タイプのものだと解約時期によって保険料はほとんど戻ってこない可能性も出てくるでしょう。
また外貨建てなどは仕組みが複雑になっているものもありますので、保険商品の内容を良く理解した上で加入することが必要です。

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