世帯貯蓄が過去最高なのは高齢者が平均額を上げている?

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総務省の2016年の家計調査報告では、2人以上世帯の平均貯蓄は前年比よりも0.8%増えた1,820万円である事がわかっており、4年連続増加しています。
この調査の過半数を占めているのが60歳以上の世帯主の世帯で、その平均貯蓄は2,385万円でした。
しかし全体の3分の2の割合に該当する世帯の貯蓄額は平均貯蓄額を下回っていますので、年齢が高いほど貯蓄が多く、高齢者が増えた影響で平均貯蓄が増えていると言えるでしょう。

 

これまで働いていた期間の貯蓄?

20代以降から40代にかけては、マイホーム購入のための住宅ローンによる負債が増え、50代でローンを完済する世帯が増えて全体平均の負債額は減っていきます。それに加えて長年勤務していることから年収も増額されており、段々と金銭的な負担は和らいでいく様になります。
働いている累計時間が長くなれば貯蓄できる機会も増えますので、毎月同額貯蓄を続けていればその分お金が貯まっていくでしょう。若年層には貯蓄を増やす可能性が十分残されていると考えられます。
現在定年を迎えている人たちも、長年働いて来た時代に貯蓄していた事で高齢層の貯蓄が高い状態であると言えます。

 

その他にも高齢層の貯蓄が高い理由はある?

二人以上世帯のうち、世帯主が65歳以上である世帯に限定して見ると、4,000万円以上の世帯の比率が高いのは退職金による上乗せがされているからと考えられます。
さらに定年を迎えて年収は減っていたとしても、9割の世帯が持ち家なので住宅ローンも完済しており、毎月の家賃(返済)の負担はありません。
ただし高齢世帯なら金銭的に必ず余裕があるわけでは当然なく、貯蓄が4,000万円を超えている世帯もあれば100万円に満たない世帯もあるといった現状です。

 

若年層も貯蓄に対する関心が高まっている

若年層は収入が少ない事から貯蓄もできておらず、金銭的に余裕が無い状態であることも多いようです。実際のところ、40代までは持ち家率も高くないので家賃の負担も大きいでしょう。
しかしこの先、税金や年金、健康保険などに対する負担が大きくなることが予測されるため、可処分所得が次第に減っていくことに危機感を感じてからか、貯蓄志向が高まっています。

 

若年層はできるだけ早めに貯蓄を始めるべき

現在高齢世帯の貯蓄が高い状態であっても、今の20代から40代が世帯主の高齢世帯が同じ貯蓄を確保できているとは限りませんし、それで生活できるかどうかもわかりません。
平均貯蓄額の内訳は、定期預金727万円、普通預金412万円、生命保険など378万円という結果でしたが、仮にこの額を老後まで預けていても生活に不足が生じる可能性があるという事です。
社会保障等の仕組みも分かるかもしれない、という事も再度念頭に入れ、いずれ訪れる老後のために備えておく事が必要だと言えるでしょう。

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