個人事業主が2階部分を補うために加入したい年金とは?

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日本の公的年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象となる「国民年金(基礎年金)」、会社勤めの人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。
生活スタイルによって加入する年金と保険料が異なる事になりますが、会社員や公務員などは国民年金と厚生年金に加入するのに対し、個人事業主など自営業者や学生、専業主婦、無職の人などは国民年金だけに加入する事になります。

 

国民年金の保険料と年金受給額はいくら?

国民年金の保険料は1か月あたり16,490円です。段階的に引き上げられていて、1
6,900円になります。
国民年金の支給開始年齢は65歳で、納付期間に応じて給付額が決まります。仮に20歳から60歳の40年間、保険料を納付している場合になれば、平成29年度は月額約6.5万円、年間779,300円を満額で受給する事が可能です。
ただし老後の生活を国民年金だけで送ると考えると、とてもではありませんが不足が生じてしまいます。個人事業主の人は老後の生活を安心して送れる様にするために、国民年金以外に収入を充実させる方法を活用しましょう。

 

「国民年金基金」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」に加入する

会社員なら国民年金と厚生年金を2階建で受取ることができますが、個人事業主は自分で2階部分にあたる制度に加入しなければ1階部分の国民年金からしか年金を受取ることができません。そこで「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と「国民年金基金」への加入を検討してみましょう。
この2つの制度の掛金は全額所得控除の対象なので、備えと同時に節税できるというメリットもあります。
ただし国民年金基金は一括受取りができませんので、将来一括で受取りたい部分には確定拠出年金を選択するといった使い分けも良いでしょう。なお、掛金の上限は2つの制度を合算して月68,000円です。

 

国民年金に「付加年金」を合わせて支払う

国民年金に加入している人が、毎月支払う保険料に月額400円の付加保険料を合わせて支払う事で年金受給額を「200円×付加保険料の納付月数」分増やす事ができる制度が「付加年金」です。年金受給開始年齢から2年経てば、支払った額の収支が見合い採算を取る事ができます。
ただし国民年金基金と併用する事ができないという事に注意しましょう。個人型確定拠出年金との併用は可能で、上限金額は国民年金基金と個人型確定拠出年金の組み合わせと同じく68,000円ですので、少ない納付額で受給額を増やすには良い方法だと言えます。

 

「小規模企業共済」は加入資格に注意

個人事業主が廃業後の資金を事前に準備するための共済制度で、経営者のための退職金制度と言えます。
加入できる個人事業主は、従業員が20人以下の建設業や製造業、運輸業などを営む個人事業主、または従業員数が5人以下で商業やサービス業などを営む個人事業主です。
掛金は全額所得控除の対象ですし、解約した時には退職所得控除や雑所得控除を適用する事ができるケースもあります。

 

民間保険会社の個人年金保険に加入する

民間の保険会社などが販売している個人年金保険もあります。受取り方も年金として受取るのか、それとも一括で受取るのかなど様々ですし、円で運用しなくても外貨で運用できるものもあります。また、保険商品なので保障が付くという点でもメリットです。

 

国民年金だけでは将来不安!そのためにも制度の活用を

個人事業主が年金制度を充実させようと考えた場合には、様々な選択肢から選ぶ事ができます。国民年金だけでは将来不安がありますので、この様な制度を上手く活用して老後に備える事を検討しましょう。

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