個人年金保険と国民年金の違いは何?確定拠出年金とは?

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名称に「年金」という言葉が付く制度は色々あります。公的年金である国民年金、老後の備えとして加入する個人年金保険、確定拠出年金など、いずれも名前は似ていますが、制度としては全く異なったものです。
それぞれの内容を良く理解した上で、自分が加入するべき年金とはどれなのか、確認しておきましょう。

 

国民年金と個人年金保険の違い

まず、混同してしまいがちな国民年金と個人年金保険の違いを理解しましょう。

・国民年金の内容
国民年金は公的年金制度なので、20歳以上は日本年金機構へ強制加入となっています。また、保険料は平成29年4月から平成30年3月までは月16,490円で、支給額は「779,300円×保険料納付期間(月数)/480(平成29年度価格)」で計算された額です。
国民年金から支給される基礎年金には種類があり、一定年齢になった時に受取ることができる「老齢基礎年金」、所定の障害状態になった時に受取ることができる「障害基礎年金」、死亡時に遺族に対して支払われる「遺族基礎年金」などがあります。

・個人年金保険の内容
対する個人年金保険は、民間の保険会社に対して任意で加入するものです。保険会社や契約内容によって、保険料や受取ることができる保険金(年金)は異なります。
老後の生活資金を積立てる目的で作られた保険商品なので、国民年金と違い加入が義務付けられているものではありません。保険料払込期間中に契約者が亡くなった場合には、それまで払った保険料相当額が、遺族に保険金として支払われます。

 

個人年金保険と確定拠出年金の違いは?

では個人年金保険と確定拠出年金の違いを確認してみましょう。
特徴として似ているのは、どちらも公的年金制度では不足を感じる場合に、上乗せする目的で加入するものだということです。

・個人年金保険の特徴
個人年金保険は上記の特徴に加え、保険料は契約時に決まりますので原則変更できません。(減額することは可能)将来受取る年金額も契約時に決まります。
運用責任は保険会社にあるため、運用方針の変更はできませんが、中途解約することは可能です。
また、一定要件を満たす場合、加入で支払った保険料の一部は生命保険料控除で所得控除の対象ですので節税にも役立ちます。なお、一時金として受取った場合には一時所得、年金で受取れば雑所得として申告が必要です。

・確定拠出年金の特徴
対する確定拠出年金は現役時代に掛け金を拠出して、運用実績で年金給付額が変動する年金です。ただ、掛け金については変更できますし、運用実績次第で年金額が変わるので運用が上手くいけば将来受取る額が増える可能性はあります。
ただし運用責任は加入者本人にあるので、運用方針なども自分で変更も交えながら検討する必要があると言えるでしょう。
確定拠出年金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象で、一時金として受取れば退職所得控除、年金なら雑所得として公的年金控除の対象です。
個人年金保険との大きな差がこの税金面の優遇部分で、支払う掛け金は全額所得控除である上に、受取る年金にも所得控除があるのは、最大のメリットと言えるでしょう。

 

自分が加入するべき年金はどれ?

国民年金、個人年金保険、確定拠出年金、どれも名称は似ていますが、内容や特徴は全く異なっています。
国民年金は20歳以上の国民は加入が義務付けられていますので、必ず加入する必要がありますが、個人年金保険と確定拠出年金については、任意で加入するものですので、必要性などを検討した上で加入すると良いでしょう。

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