大きなライフイベントや生活の転換を迎えることの多い30代。「マイホームを買っても大丈夫!?」「子育てに専念するためパートナーが退職や時短にしても大丈夫?」など、20代に比べてお金にまつわる不安や疑問も出てくる時期だと思います。30代の平均貯蓄額や貯蓄で考えるべきポイントについてみてきましょう。
30代の平均貯蓄額は262万円
平成29年の金融広報中央委員会発表「家計の金融行動に関する世論調査」によると、30代を世帯主とする二人以上世帯の平均貯蓄額は、株や債券・保険などを含まない純粋な貯金のみで「262万円」という結果になっています。
また収入に対する毎月の貯蓄割合は、「10〜15%」が一番多くなっています。仮に手取りを28万とすると、2.8〜4.5万程度毎月貯蓄をしている人が多いことになり、年間30〜50万前後は貯蓄しているということになります。一方で「全く貯蓄していない」という人も13.3%、10人に一人以上の割合でいるのが実情です。平均貯蓄額については一部の富裕層が平均値を押し上げていることも考えられるので、あくまで目安として捉えるようにしましょう。
30代から貯蓄に差が出る
同様にほかの年代も含めた平成29年の平均貯蓄額調査を見ると、下記ような結果となっています。
20代:239万 30代:262万 40代:331万 50代:515万
一方で、「全く貯蓄していない人」の割合は
20代:3.6% 30代:13.3% 40代:17.3% 50代:16.6%
という結果になっています。
この結果を見ると、40代や50代の方が30代よりも全く貯蓄できていない人の割合が多いのに対して、年代別の平均貯蓄額は年代と比例して上昇しています。つまり、貯蓄できている人の一人あたりの貯蓄額が大きくなっているということになります。
40代の場合子どもも成長し、高校や大学など教育費を中心に出費がかさむ年代ですので、なかなか貯蓄がしにくいと言えます。30代は大きなライフイベントを迎える転換期でもあり、ここでしっかりと将来設計を考えた貯蓄や支出のバランスがとれるかどうかで、40代、50代で差が出てしまうのです。
子どもの大学入学までに500万、定年までに3,000万が目安
それではどのくらいの貯蓄を目安とすれば良いのでしょうか。例えば子ども一人にかかる費用は、大学までオール国公立でも1,000万ほどと言われており、子ども一人が大学に入るまでに500万の資金をつくることが目安とされています。もし私学を検討されているなら学校によって幅はありますが、その倍は考えておく必要がありそうです。また安定した老後のためには3,000万の貯蓄が必要とも言われており、65歳までにそれくらい貯蓄することを目標値にしておいた方がよさそうです。
様々なライフイベントを通して大きな出費も控える30代、周りの貯蓄額も気になると思います。参考程度に他人の貯蓄額や平均値と比較するのは良いですが、大切なことは貯蓄の目標値を設定してそこから逆算し、現在の収入・支出のバランスを見直しながら必要な貯蓄目標と達成するための行動を取っていくことでしょう。