おひとりさまの老後対策!「成年後見制度」について知っておこう

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生き方の多様化でシングルライフを過ごす人が増加していますが、おひとりさまが特に気になるのが、老後の事ではないでしょうか。

なかでも心配なのは認知症による判断力が低下です。マイホームや老後資金をしっかり確保していても、認知症になればその管理を自分で行うことが難しくなります。

そこで知っておきたいのが、認知症などで判断力が下がり、日常生活や財産管理が難しくなった人を手助けする「成年後見制度」です。

成年後見制度には、判断力があるうちに自分で後見人を選ぶ「任意後見制度」と、判断力がすでに低下している場合に家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見制度」の2種類があります。

 

 

任意後見制度の場合、親族や友人などを後見人に推薦できます(家庭裁判所により不適切と判断されると後見人にできないこともあります)。一方、法定後見制度の場合は、社会福祉士や司法書士など地域の専門職の人か、福祉関係の法人が後見人となります。

後見人からは、福祉サービスや介護、入院、施設への入所の手続きから、預貯金や不動産の管理や保険料・税金の支払いまで、幅広いサポートを受けられます。

成年後見制度を利用するには、本人や近親者などが家庭裁判所に申し立て手続きをします。申請から利用開始までは早くて1~2カ月、長くても4カ月程度です。

制度の利用が始まると、成年後見人に報酬を支払わなくてはなりません。任意後見制度の場合は契約書で金額を決めておき、法定後見制度の場合は家庭裁判所が業務内容や本人の財産状況などによって1年ごとに決定します。

成年後見制度はさまざまなサポートが受けられる心強い制度ですが、注意すべき点もあります。

後見人は、相手の財産を管理するために財産目録や収支予定表を作成したり、契約の代行などをしなくてはなりません。安易に親族や友人に「任意後見人になってほしい」と相談をすると、相手側は大きな負担に感じるかもしれません。

一方、法定後見制度を利用すると、社会福祉士や司法書士など、近しいとはいえない第三者と収支を共有し、財産管理などを託すことになります。また成年後見制度は一度利用を始めると原則としてやめることはできません。

こうしたメリット・デメリットを理解した上で制度の利用を検討するとよいでしょう。高齢化とともに認知症リスクは増加していますので、老後が近づいてきたら、早めにリスク対策を考えることをおすすめします。

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