将来迎える老後の生活。なぜ不安に感じるのかというと、誰にも先のことはわからないからです。
これまでは終身的に受け取ることができる公的年金が老後の生活に安心感を与えてくれる糧でした。
しかし今では必ずしも安心できるものではなくなりましたので、自分たちの老後の生活を守るためにどのくらいの生活費が必要になるのかを予測していくことが大切です。
現在の老後の生活費はいくら?
総務省が平成27年に発表した二人以上の世帯の家計調査では、セカンドライフ世帯を多く含む無職の世帯の支出総額は26万7,803円となっています。
これに対して毎年厚生労働省が発表している夫婦二人の年金額(モデル世帯)。平成27年度を参考にすると、1か月22万1,507円となっています。
現在でも既に不足が生じている状況であることがわかるでしょう。
老後はどの水準で生活する?
では将来老後の生活にどのくらいの金額が必要になるのかを考えるためには、現在の生活水準をそのまま継続するのか、ゆとりのある生活を望むのか、それとも支出を下げ質素な暮らしをするのかによって違ってきます。
物価上昇という落とし穴に注意
例えば現在毎月25万円で生活している30歳の人がいたとします。現在のまま年金制度が変更なければ、年金の受給は65歳からスタートしますので30年後になります。
老後も今と変わらない生活水準でと考えた場合、25万円あったら同じ生活が成り立つかというとそうではないでしょう。
30年という時間の間には、物価や提供を受けるサービスの金額は値上りすることが予測できます。
老後の生活に対して備えをするには大きな落とし穴になる「物価上昇」を頭に入れて考えて行く必要があります。
年金収入は物価とは逆に減っていく
日本銀行と政府は、経済政策の一環とした物価の値上げを毎年2%ずつ行うという目標を掲げています。もしそうなった場合に所得も増えれば問題ないでしょうが、年金生活者にとってはかなりのダメージになります。
現在25万円で生活している家計が、25万円年金を受け取ったとしても今と同じ生活は成り立ちません。物価が2%ずつ上昇した場合、25万円で現在買えるものは30年後には約45万円出さなければ買えなくなります。
時間を味方につけた老後の備えを
老後の生活を今の生活と同水準に保ちたいのであれば、物価上昇という大きな落とし穴を上手くクリアして老後の備えを行う必要があります。
それには老後までの時間を味方にする必要があります。
家計の収支のバランスを今一度見直して、どの部分を改善し金融商品などを活用して運用するかということを再度検討していく必要があるでしょう。
人生全体を見渡しながらマネーバランスを取ることで、長期に渡る老後資金の備えが可能になります。