個人年金保険の契約者と年金の受取人が同一人の場合には、毎年受け取る年金は雑所得に区分されますので所得税や住民税の課税対象となります。
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毎年受け取る年金は雑所得となる
年金を受給した人は基本的に確定申告を行う必要がありますが、その際には雑所得として申告を行います。
高齢者が受け取る年金は「公的年金等」と「個人年金」の2種類がありますが、公的年金は国民年金や厚生年金などの社会保険制度に基づく年金で、個人年金は民間の生命保険契約に基づいた年金です。
公的年金や個人年金で受け取った年金は収入になるため、雑所得に区分されてその収入額に応じて一定の計算方法から所得金額を算出することになります。
源泉徴収がされている場合もある
個人年金の受給額が一定以上ある場合、支払われる際には所得税が源泉徴収されることがあります。
年金額からその年金額に対する払込保険料を控除した金額が25万円以上の場合には、その金額に対して10.21%が所得税として源泉徴収されます。(平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間で所得税がかかる場合には復興特別所得税が所得税とともに源泉徴収されます。)
これは契約者と年金受取人が同一人の場合で、異なっている場合には源泉徴収されることはありません。
個人年金の計算方法
雑所得は個人年金の総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
個人年金の総収入金額は、運用成果に関係なく受け取れる基本年金、年金受取開始時点までの積立配当金で買い増しされる増額年金、年金受取開始後の配当金で買い増しされる増加年金の3つを合わせた金額です。
必要経費は「年金年額(基本年金+増額年金)×(払込保険料の合計額/年金の総受給見込額)」で算出します。
年金の総受給見込額とは?
年金の種類によって、総受給見込額の計算方法が異なり、種類ごとの計算方法は次のとおりになっています。
・終身年金…年金年額×余命年数(参考値)
・確定年金…年金年額×支給期間
・保証期間付終身年金…年金年額×余命年数もしくは保証期間年数のどちらか長い年数
・有期年金…年金年額×余命年数と支給期間のどちらか短い年数
定額型年金の場合には、この必要経費は毎年同じ額になります。
支払調書から税務署は受取額の把握が可能に
個人年金を受け取っているのに確定申告を忘れてしまうと、税務署から連絡が入ることがあります。
年金年額が20万円を超える場合には、保険会社から税務署あてに「年金支払調書」の提出が義務付けられているため、支払調書によって税務署は誰がいくら年金を受け取ったかを把握しています。
平成25年以降からは個人年金の契約者と受取人が異なる場合には、金額にかかわらず支払調書の提出が行われています。
個人年金を受け取っている場合には確定申告を忘れずに
個人年金を受け取っている場合には、確定申告を行っていないと税務署から連絡が入る場合がありますので受け取っている間は申告を忘れないようにしましょう。
ただし公的年金などの収入が400万円以下で、公的年金などに係る雑所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告しなくて良いようになっています。