老後に不安を抱える70代は多いのですが、生活を支える資金の多くを預貯金に集中させています。今70代の人で資産形成していた人であれば悠々自適の第二の人生を満喫しているかもしれませんが、実際多く見られるのは年金収入の不足分を貯蓄から補うという生活です。貯蓄もいずれは底をつくことになるため、病気や介護状態になった時など不測の事態に備えておくことが大切です。
70代の貯金平均額
現役を引退して年金収入が中心となる世代ですが、金融資産がある場合には資産運用での収入が多くなることもあるでしょう。総務省統計局が実施した「平成26年全国消費実態調査」によると、70代以上の貯蓄額の平均は1,824万円です。60代が1,991万円なので生活費として取り崩していると考えられます。
安定運用なら安心できる?
リスクを最小限に抑えながらリターンを安定させることを目指す運用方法を安定運用といいます。一般的な手法として用いられているものは、価格変動リスクの大きい株式の配分を抑え、短期金融商品や債券など価格変動リスクの小さい資産配分を高めるという方法です。それによって配当金や利息などで安定的な収益を確保することが可能になります。預貯金は安全ですが増えることはありませんので、貯蓄が底をついてしまう前に運用していくことも大切です。
逆に積極運用は危険?
価格変動による値上がり益を追求する運用方法を積極運用といいます。積極運用はアクティブ運用とも言われ、この運用方法を選択する投資信託をアクティブファンドと呼ぶこともあります。積極運用は、割安な株が適正価格に戻った場合や順調に株が成長することで値上がりすれば高い収益を得ることができるでしょう。債券が期待通りの高い利回りで回れば大儲けが期待できるようになりますが、思い通りに動かなかった場合には大損する可能性もあるということになります。
リスクの少ない運用を
まず金融資産がどのくらい確保できているかを確認しましょう。生活を見直すことでこれからどのくらい使う予定があるのか、そしてどのくらい必要になるのかを確認することができます。生活費だけでなくもしもの時に手元に残しおくお金も必要ですので、資産運用は安全で計画的に行うことが重要になります。就労によって生活収入を増やすことは困難な世代ですので、高いリスクから儲けを期待して生活の基盤を失うことになっては大変です。安定した債券に投資比率を高め、元本割れするリスクを抑えた金融商品を中心に運用していくことが望ましいでしょう。
相続と運用、両面で検討を
さらに70代の人で現在まとまった資産がある人は、先の相続についても検討する必要があります。投資を行っている金融商品が多岐に渡っている場合には、分散割合を少しずつ減らすということも必要になります。相続発生時に投資商品で受け取ってしまうと処理に手間がかかることからも、金融商品の整理についても行うことを視野に入れながら運用を行って行くようにしましょう。