資産形成層がNISAを活用すると良い理由

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イギリスのISAの日本版と呼ばれるNISAは少額投資非課税制度が採用されており、非課税枠が年間120万円まで設けられています。NISAは資産形成層が資産を有効に活用できる商品で、将来必要になる資金の準備をしたいと考えている人に適しています。

 

 

年齢やリスク許容を勘案して運用計画を

NISA口座を活用する将来の資金準備に重要なのはファンドの選択ではなく、年齢やリスク許容度の勘案と運用計画を立てることです。ゆとりあるセカンドライフを送るには夫婦の一般世帯で月約38万円の生活費が必要と想定されています。公的年金の受給のみに頼った場合には、月約17万円不足が生じると言われており、60歳で退職した後に平均余命の残りが22年なら約4,570万円という資金準備が必要と予想されます。

多額の資金はどのように準備する?

ほとんど5,000万円近い多額の資金を短い期間で急いで準備することはほとんどの場合困難な状況です。多額の資金準備のためには長い期間をかけて積立投資を行うことが望ましいでしょう。毎月積み立て可能になる金額は、毎月のどのくらいの収入を得て支出があるのかを勘案して無理なく設定することが必要です。まずリタイア予定の年齢から今の年齢を差し引いて考えましょう。

目標額達成に必要な運用利回りは?

現在35歳でリタイアが65歳であれば30年間で考えていくことになります。将来必要な額、毎月積み立て可能な金額と期間は、将来の資金を準備するために必要な運用利回りを計算するために使います。現在35歳の人が毎月5万円積立して30年後に5,000万円資金準備がしたいのであれば、年利6%の利回り運用の商品を選択することになります。

初心者には投資信託が現実的?

保守的な投資を考えて配当利回りが高い株を購入したとしても、市場環境が悪化して株価が下落すれば配当の利益は吹き飛んでしまいます。それなりのリスクを覚悟して株式投資するのであれば、中長期的に株価が上昇することを期待して利益成長力が高い銘柄を選択するほうが良いかもしれません。ただし初心者が判断することは難しいため、成長株の選別はファンドマネジャーに託す投資信託に代替投資することが現実的になるでしょう。

金融経済教育の活発化もNISA注目の背景に

年間の非課税枠は以前100万円だったものが、2016年1月から120万円に拡大され、次世代取引ツールとして未成年者向けのジュニアNISAなども開始されています。さらには銀行を中心として職場積立NISAも取り扱いが拡大されるなど、これまで課題とされてきた投資未経験者の利用が広がりつつあります。NISAはこれまで貯蓄のみだった人たちが投資に切り替えていくためのきっかけの1つとなるでしょう。

資産形成層がNISAを始めるなら

NISAを利用して資産運用を行うためにまずは成功体験を得ましょう。運用の手段として活用し、あまり投資枠や投資期間という枠にとらわれすぎないことも大切です。

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