なぜ投資信託は今安定分配ファンドが注目される?

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毎月の分配金や分配金利回りが高いなら絶対儲かると思っていたのに運用に失敗して損失が出てしまったということはありませんか?利益からのみ分配金が出るなら高分配ファンドを選択すれば良いのですが、分配金は必ず利益部分だけから出るわけではないことを理解しておきましょう。

 

 

高分配ファンドで注意すべき点

高い分配金が期待できるファンドほど、トータルしてのリターンが下落もしくは横ばい状態の時に特別分配金(元本払戻金)を払い出して元本を取り崩してしまう可能性が高くなります。さらに高分配ファンドは値動きの幅が大きいという特徴があります。トータルでのリターンの振れも大きくなるため、市場が良ければ大きく値上がりしてその分収益が期待できますが悪くなると急激に値下がりしてしまう危険性が高くなってしまいます。

一方の安定分配ファンドは?

投資元本を維持して利益部分だけを分配金として受け取りたいという安定性を求めるのであれば、高分配ファンドは不向きです。元本をできる限り維持しながら、安定的に得ることができる利益の範囲での分配金を受け取ることができるファンドが安定分配ファンドです。利子収入の範囲もしくはそれに近い水準で分配金を出す傾向にあり、価格変動リスクが小さい債券や為替リスクを低減したファンドであるという特徴があります。

安定した運用には国債が良い?

昔から安定的な運用利回りの商品は国債運用のファンドです。しかし現在では異次元の金融緩和で国債金利はほぼゼロ金利状態です。そのため日本国内に安定的に運用するファンドは存在しないことになりますが、金利がないということは逆にこれ以上下がるということはないとも考えられます。短期国債ならマイナス金利も想定に入れなければなりませんが、長い目で考えると良いかもしれません。さらに米国債券の運用ファンドも検討に入れてみましょう。米国債は日本と違って利回り1.5~3%でリスクとリターンのバランスに優れている商品と言えるでしょう。

・為替の影響は?

為替の影響を完全にゼロにすることは不可能ですので、ドル建ての場合には価値が変わらなくても円高方向に動けば円換算で価値が下がり損失が発生します。ただし円高局面で大量に買い付ければ、円安時に値上がりしやすいという特徴もあります。

投資信託で安定した運用を求めるのなら

投資信託は多数の債券に分散投資を行うことで、1つの債券が貸し倒れてしまっての全損することにはなりません。投資信託で安定性を求めるのであれば、分配金の高さだけで考えるのではなく安定的な収益の範囲で分配金を出しているかどうか、そして価格変動リスクの大きさなどに注目して考えていく必要があります。

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