毎月分配型の投資信託を買う多くの人は、やはり毎月受け取ることができる分配金に魅力を感じていることがほとんどです。
基準価額1万円の投資信託で、1万口あたりの分配金が100円も場合には、500万円分購入すれば毎月5万円分配金を受け取ることができると考えるでしょう。しかし5万円の予定が2万円になったら、生活費の足しにしていた場合などたちまち困ってしまうかもしれません。
分配金が減額される可能性を知る方法
そのような減額の可能性を判断できる方法として「分配金余力」があります。分配金はこれまでの運用益等を貯めた中から支払われます。
そのため分配金がどのくらいの健全性を保っているかを知る必要がありますが、「分配余裕月数」と「分配金余力」で判断できます。これらは足元の分配水準が、あと何か月継続できるかの判断のための数値です。
分配金原資を計算時点の分配金で割って求めることができます。その月に儲かった部分である売買損益と利子配当収益、過去の儲かった部分である分配準備積立金と収益調整金を合算し算出します。また、この数値は運用報告書で確認することができます。
現在の分配金があとどのくらいの期間継続できるかを分配金余力によって知ることができると言えるでしょう。
翌期繰越分配対象額とは?
分配金で支払う以上に収益があった場合には、翌期繰越分配対象額という内部留保に回してストックされます。翌期繰越分配対象額の内訳は、分配準備積立金と収益調整金です。
翌期繰越分配対象額は、運用がうまくいかずにその月の収益だけでは分配金に不足が出てしまうという場合にはそこから補われますので、毎月分配型投資信託が毎月安定した分配金を投資家に支払うことができるのはこのためです。
しかし翌期繰越分配対象額の残りが少なくなってくると分配金が支払えなくなる可能性もあることから、支払う期間を長く保つために分配金の額が引き下がる可能性があります。
分配金が減額されにくい毎月分配型投資信託を見分けるには
そこで減額されないかどうかを知るための基準分配金余裕月数を確認しましょう。翌期繰越分配対象額と当期分配金を足した額を当期分配金で割って分配金余裕月数を算出します。
この数字こそが、あと何か月間は継続して同じ額の分配金が出るかを判断することの目安にできます。その投資信託の体力を計るための指標として活用することが可能と言えるでしょう。
毎月分配金のある投信を買うなら
毎月分配金のある投資信託で運用するなら、減額などになるとたちまち家計が苦しくなる可能性もあります。
そのためどのくらいの余力を持った投資信託なのかという信頼性の判断の目安として、先に述べたことも踏まえながらこれまでの運用成績などを加味して選ぶようにすると良いでしょう。