相続が発生すると相続税が関係するのかしないのかは別として名義変更等の必要もあるため相続財産を洗い出さなくてはいけません。
Contents
1.預金や株式等の評価方法
相続財産にいくらの価値があるかについては、 すべて国税庁の「財産評価基準通達」というもので定められています。
2.株式の評価方法
上場株式の場合
次の中で一番低いものが上場株式の評価額です。
・課税時期の終値
・課税時期の属している月の毎日の終値の月の平均値
・課税時期の前の月の毎日の終値の月の平均値
・課税時期の前々の月の毎日の終値の月の平均値
短期で急騰したり暴落する可能性がある株式の特性を考えて、公平に課税されるよう評価方法にも幅があります。
非上場株式の場合
株主の区分、会社の規模、その状態により評価方法が違います。持っている株の会社に対して経営支配力を持っている場合は原則的評価方式、持っている株の会社に対して経営支配力を持っていない場合は配当還元方式で評価します。
原則的評価方式
次のいずれかの評価額です。
- 評価対象の会社の業種に似た上場会社の数値を基準に計算する方法
- 会社を清算すると仮定して株主一人あたりの分配額で評価する方法
c. aとbを一定割合で折衷する方法
配当還元方式
次の式により算出する方法です。
配当還元価格=(一年で受け取ることができる配当金額÷10%)×(1株あたりの資本金額÷50円)
3.預貯金の評価方法
相続発生時の残高と、その時点で解約した時に受け取る利息を加えたものが評価額です。
利息からは源泉税が差し引かれます。
4.証券の評価方法
信託銀行か課税時に買い取った場合の買取価格が評価額になります。源泉所得税や手数料などが差し引かれます。
貸付信託の受益証券=元本額+(既経過収益の額-源泉所得税額)-買取割引料、
証券投資信託の受益証券=基準価格-解約請求源泉所得税-信託財産留保額・解約手数料
と少し違いもあります。
5.公社債の評価方法
上場している公社債などについては相続発生時の市場価格が元になります。市場価格がなければ発行価額を基準にします。
6.生命保険・退職金
受け取った金額から500万円×法定相続人の人数を差し引いたものが評価額です。
保険金を受け取った人の課税価格については、受け取った各相続人の非課税金額を計算してそれぞれ受け取った保険金額から控除して計算します。この時控除できるのは法定相続人だけです。
資産によって評価の方法が複雑な場合も
相続される資産や財産の種類によって評価方法はばらばらです。土地や建物のように評価額が明確なものもあれば、計算式などを用いて算出しなくてはいけないものもありますので注意が必要です。