総務省では毎年5月に「家計調査」について発表しています。2015年の調査に基づく家計の状況については、2人以上世帯の平均貯蓄額は1,805万円でした。
これから貯蓄をしようと思う人、既に貯蓄を始めている人は、一般的に他の世帯がどのくらい貯蓄しているかを自身の貯蓄の目安にしてみましょう。
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2人以上世帯の平均貯蓄額は増加
2人以上の世帯では、平均貯蓄額は年々増加傾向にあります。2015年も2014年から7万円(0.4%)増加している状況ですが、これは3年連続で増加としていることになります。リーマンショック以前の水準よりも貯蓄額は増加していると言えるでしょう。
判断するなら平均貯蓄額よりも中央値
平均貯蓄額は、貯蓄が多額にある一部の世帯層で引き上げられます。そのため実感値と開きが出ることが多いため、中央値から判断するようにしましょう。
2015年の調査では、貯蓄額の中央値は1,054万円で、中央値は前年より2万円(0.3%)増加しています。
勤労者世帯でも貯蓄額は増加
自営業や自由業世帯、高齢者などの無職世帯を除いた勤労者世帯では、平均貯蓄額は1,309万円で、2014年より19万円(1.5%)の増加となり、中央値は761万円で、同じく20万円(1.5%)の増加という結果です。伸び率で見た場合には、年収の伸び率以上に貯蓄が増えている状況です。
問題になるのは貯蓄100万円未満の世帯
貯蓄残高で見た場合には、平均値と中央値にかなり開きがあります。2人以上の全世帯では4,000万円以上の世帯は12.1%なので平均を押し上げる結果になっていますが、1,000万円以下の世帯が約半数といった平均値以下の世帯は約3分の2を占めています。
貯蓄100万円未満という世帯は全世帯だと11.1%、勤労者世帯では13.2%です。貯蓄はゼロではないけれど、100万円未満の世帯が多く存在しています。
収入が高いから貯蓄が多いとは限らない
貯蓄ができないのは収入が増えないからと考える人もいますが、確かに年収が高ければ貯蓄残高は多くなります。しかし消費行動や負債の中身が異なり、多くの負債を抱えることになります。
年収が800~1,000万円くらいあれば、生活に余裕があるので貯蓄もたくさんできるだろうと思うかもしれません。しかし浪費癖がつきやすく、貯蓄を増やすことが困難なケースもあります。
収入に見合う貯蓄という意味では、例え年収が低くても生活に困らない資金の準備をしておくことが必要ですので収入が少ないから貯蓄ができないというのは通らないということになります。
貯蓄の平均額ではなく中央値を目安に
平均貯蓄額はあくまでも平均的な数値ですので、一般の人の貯蓄額を目安にするなら中央値から判断するほうが良いでしょう。
そして現在の家計と貯蓄の状況を確認し、将来、自分がどのような生活を送っていくかを考えていくことが必要です。