実は議員は自分の持っている資産を公開することが法律で義務づけられるのをご存知でしょうか?目的は政治倫理を確立するため議員の資産等を公開するという規定です。将来の年金などで不安を抱える国民と裏腹に、多くの資産を所有する政治家たち。
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1.公開している資産には次のようなものがあります。
・土地
・建物
・地上権、賃借権などの権利
・普通預金・当座預金以外の預貯金
・有価証券(株券は株式の銘柄と株数)
・100万円を超える取得額の自動車や美術工芸品等
・ゴルフ会員権
・貸付金
・借入金
などです。
公開された議員の資産はどれくらい?
2015年5月に公開された衆議院議員の資産の上位10人は自民党議員ばかり。1位は鳩山邦夫議員でその額はなんと30億6520万円。2位の神山佐市議員の9億6763万円との差は20億円以上という驚きの結果です。安倍晋三首相は1億5229万円で21位という結果でした。
公開している資産には落とし穴が
まず家族名義のものは除外されること、土地や建物は固定資産税の課税標準額で実勢価格ではありません。固定資産税課税標準額は実勢価格の6割か7割程度の金額になります。
そして預貯金はなぜか定期預金だけが公開の対象です。自宅で保管している現金があっても対象外です。
2.他の国はどうなっている?
日本では虚偽記載したとしても罰則規定もありません。アメリカの議会は罰則規定があり、所有している会社や金融資産、そしてお金のやり取りなどについても厳しいチェックが行われています。しかもアメリカでは議員はもちろんのこと、公務員まで資産を公開しています。
多額の資産を所有していれば批判の対象になることもありますが、多額の資産を所有していることで利益誘導や汚職に手を染めることが少ないだろうというクリーンさのアピールになる面もあります。しかし日本では多額の資産を所有していれば批判の対象となるばかりですので、資産公開を渋る議員も多くいるようです。
3.さらに驚き!資産がゼロの議員が74人!
衆議院議員定数475人に対して15%以上の議員が資産ゼロということです。このゼロ議員の中にはベテラン議員や名の知れた議員も含まれています。この公開される資産は調査したものではなく、議員が自己申告したものです。74人のうち、11人は前回公開した時には資産があった人たちです。
4.資産公開は必要?
資産公開を行うのは選挙の時だけで毎年公開しなくてはいけないという義務もありません。そのため資産公開後の資産移動は次の選挙までどうなっているのか不明です。資産額がゼロという通常ではあり得ないような報告を平気でする議員がいるのはこれが理由です。議員の多くは選挙の時に資産を少なくするように工夫をしている傾向も見られます。公金を扱う者の情報公開は必要なことだと考えられます。