民間の生命保険会社の保険に加入することは義務ではありませんので、加入を希望する人のみが入ることになるでしょう。
万一の時のために加入した方が良いとは思っていたとしても、毎月保険料を支払えないから加入したくても出来ないと考える人もいるかもしれません。
しかしそのような貯金ゼロの人こそ保険に加入するべきだと考えられますが、その理由は何なのでしょう。
治療費以外にも必要な支払いがある
病気になる確率は高齢になるほど高まるため、若い世代の人は病気に対してそれほど心配をしていないことが多いかもしれません。
しかし運動などでケガを負う可能性はありますので、公的医療保険で自己負担が3割で済んだとしても、治療費以外に入院中の食事代、差額ベッド代、交通費、その他諸雑費が必要です。
差額ベッド代とは?
入院をする病室によって1日ごとにかかる料金です。差額ベッド代が無料になる大部屋から高額にかかる個室まで、設定は病院によって異なります。
ただし病室は本人の同意を取って選択することになるため、勝手に差額ベッド代が発生する病室に入院になることはありません。
治療上必要があって差額ベッド代が発生する病室に入院となった場合や、大部屋の空きがないという場合など、患者が希望したものでない場合は差額ベッド代が発生しないことが一般的です。
入院時の自己負担額の平均は?
厚生労働省の平成26年「患者調査」、平成27年「社会医療診療行為別統計」、平成28年10月「第337回中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況」など試算した場合、入院時の自己負担額は1日平均14,036円と試算されます。
例えばケガをして骨折した場合、どの場所を骨折したかにもよりますが入院期間が数週間から数か月と比較的長めです。
差額ベッド代の全国平均は1日あたり6,155円ですが、もし骨折で1か月入院すれば差額ベッド代だけで18万円以上かかることになります。
高額療養費制度は使えない?
高額療養費制度により、医療費の自己負担額が高額になっても一定限度額を超えた分については払い戻されます。
しかし差額ベッド代や食事代などは対象外になっていますので、結局支払う金額は高額になると考えられるでしょう。
貯金がゼロだからこそ保険を頼りに
万一ケガや病気に対して、預貯金などで賄うことができれば問題ないでしょう。しかし貯蓄がゼロの場合、それらの費用を賄うことができなくなり経済的に困ることになると考えられます。
今からすぐに貯蓄を始めるという人でも、入院や手術が必要になった時に必要になるお金が貯まるまではある程度時間もかかるでしょう。
このような場合に保険に加入し、保障として確保することでいざという時にまとまったお金を給付金や保険金として受取ることができます。