投資というとお金が増えるという良いイメージもありますが、その反面、価格が変動することなどによるリスクもあるという少し危ないようなイメージもあります。
貯蓄は、銀行預金などの保守的なイメージがあり、リスクも小さいですが期待できる収益も小さいというイメージです。将来的に物価が上昇すると予測される中で、貯蓄だけでは対応できなくなるでしょう。ただし、いつでも必要なときに損することなく引き出すことができる流動性の高さは投資にはないメリットともいえます。
貯蓄と投資の両方のメリットを活かしながら合わせて持つことで、将来の備えに対応することができます。
そのためにはどちらをどのくらいの割合で保有すればいいのでしょう。
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1.貯蓄と投資を保有する割合は人それぞれ
投資に回す資金は、なくなったとしても困らないお金であることが望ましいです。生活資金を確保できている前提で、それ以外のお金をリスクの高い投資へ回します。そして守りたい資金を貯蓄として残します。そのため、保有している財産や収入、年齢などで投資と貯蓄に回せる割合は違ってきます。
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資産が1億円を超えるなら半分は投資?
保有している資産が1億円を超える場合には、資産の5割は投資へという考え方もあります。しかし1億円の資産の場合、貯蓄5千万円、投資5千万円です。5千万円という貯蓄額は、収入が確保できている人なら問題ないでしょうが無収入の場合は資産価値の暴落などが起こった場合に心配です。1桁増えて10億円の資産であれば収入にこだわらず半分を投資に向けるという考え方でも良いでしょう。しかしあまり現実的な数字ではありません。
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投資額は「100-年齢」?
100から年齢を引いた割合を投資に回すという考え方もあります。
もしも30歳の人の場合、3割が貯蓄で7割が投資です。倍の年齢の60歳の場合だと60%が貯蓄で40%が投資です。
例えば30歳の人が350万円持っていて、30%の105万円が貯蓄で70%の245万円を投資にというのも不安を感じる数字かもしれません。
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「投資+貯蓄」だけでなく「+外貨資産」でバランスを
投資と貯蓄の配分は人それぞれの事情や属性によって異なります。
今保有している資産や収入に余裕があったとしても、投資と貯蓄の割合バランスとして3割は貯蓄として持ちましょうという考え方が基本になっています。
もしも資産価値が暴落した時に、自由に使える貯蓄があれば対応ができます。値が下がった資産を追加で買付けすることもできるでしょう。
さらに貯蓄3割の他に外貨資産を3割持つことでバランスが良くなります。残りの4割を株式や債券、不動産などの投資に回すことで将来のインフレにも対応できます。
2.ここまでしか投資しないという線引きも大切
これから投資をはじめる段階の人の金融資産の割合は現金と預貯金が100%を占めているでしょう。株式や投資信託を購入すれば、そのうちの何割かをリスク資産が占めることになります。投資はその中の何割までにするのか、一線を引いて計画しておくことが大切です。