病気になって、病院などで治療を受けた場合、保険証を提出すれば医療費の自己負担額は3割で済みます。ですが、入院した場合だと、意外とお金がかかるもの。その理由は、入院すると、食事代、差額ベッド代、日用品費など全額自己負担額になる費用があるからです。実際の調査(※)によると1日あたりの自己負担費用の平均は約2.1万円。もし大病して入院が長引けばその負担は大きくなります。そうならないよう、日頃から自分の体調管理をしておくことは、大切です。会社員は、会社で定期的に健康診断が実施されますが、自営業(フリーランス)、専業主婦(夫)の方は、健康診断を怠ってしまうという人は意外と多いのではないでしょうか。今回は、自治体で受けられる健康診断についてご紹介していきます。
※生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2022年度
健診の種類は年齢によって3つの種類に分かれている
自治体で受けられる検診は主に年齢によって3つの種類に分かれています。若いうちは基本的な検査ですが、40歳以上になると検査項目が充実していく仕組みです。
基本健康診査
18歳~39歳までが対象の健康診断。身体測定、血圧測定、血液一般検査、尿検査、胸部X線撮影、心電図、医師の診察等などを受けることができます。費用は、自治体によって異なり無料のところもあれば、1000円程度の自己負担がかかる場合もあります。
特定健診・特定保健指導
40歳以上74歳以下の人は、生活習慣病を予防する観点から検査の内容が充実しています。基本健康診査で受けられる検査の他、血液検査では、高血圧、糖尿病、脂質異常症や、腎臓、肝臓などより細かな項目を実施。医師が必要と判断された場合は眼底検査も対象です。また、健診の結果により、特定健康指導が必要と判断されると、医師・保健師・管理栄養士などによる生活習慣改善のサポートも受けられます。この2つは、原則無料で受けられます。
後期高齢者健診
75歳以上の人は後期高齢者健診が対象になります。内容は、40歳以上の人と同じ特定健診。75歳以上の人も健診は原則無料で受けられますが、介護保険施設等(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設)に入居・入所している場合は受診できません。
年齢によってがん検診も安い費用で受けられる
基本健診の他、さまざまな種類のがん検診もあります。自己負担額は、自治体によって異なりますが、1000円~2000円程度で受けることができます。費用の一例を以下にまとめました。がんは早期発見、早期治療が大切と言われています。受けられるタイミングが、2年に1回という検診もあるので、機会を逃さず定期的に受けることをおすすめします。
また、生活習慣病の1つともされている歯周病予防として、「成人歯科健康診査」で問診、⻭や⻭⾁の状態、⼝腔衛⽣状態などの歯科健診を受けられます。対象の年齢は、自治体によって異なり、18歳以上や、20歳以上の他18歳・20歳・25歳・30歳・35歳……など年齢が区切られている場合もあります。かかる費用もまちまちで、無料もあれば、500円程度かかる場合もあります。
長寿が当たり前となった現在では、病気にかかる費用が高くなれば、その分将来の生活費に影響を及ぼすことにもなりかねません。健康なうちは、健康診断なんて無駄と思いがちですが、健康なうちこそ、自分の体をしっかり管理しておくことで、将来の無駄な出費を減らすことにもつながるはずです。