アメリカのトランプ次期大統領の経済政策などの期待が影響し、外国為替市場はドルが一貫して値上がりしています。
その一方でドル以外の通貨は大幅に下落する状況となり、日本の円も1ドル110円台まで値下がりするなど、大きな影響を受けています。
今後資金の流れが世界経済にどのような影響を及ぼすか注目されるところでしょう。
各国の通貨の価値は?
ドルに対してユーロ以外にも、ブラジルのレアルや南アフリカのランドなど新興国の通貨、メキシコのペソやトルコのリラな大きな値下がりを見せている状況です。
トランプ氏が実施すると考えられている経済政策や、アメリカの利上げに対する考えなどが影響しており、金利上昇のドルが買われているためです。
しかし大統領に当選してからのトランプ氏は、政策についてほとんど発言していませんので確実とは言えないことから市場相場の方向性が一方的な状況だと言えるでしょう。
円安による株の影響は?
円も値下がりを見せている状況ですが、そもそも円安とは円の価値が他国の通貨よりも下がることです。
円安になると株価にどのような影響を及ぼすのかが気になるところですが、株価に影響がでれば経済にも影響が出てきます。
そのため円安になると輸出企業の業績が好転し、株価が騰がりやすくなると言えるでしょう。
・輸出企業にはメリットがある
輸出企業は海外に物やサービスを売る企業です。自動車産業などが代表的な例としてあげられますが、円安になれば日本の輸出品を海外の人が安く購入することができます。質で勝負する日本製の商品を円安によって価格でも勝負することが可能となるでしょう。
日本は製造業など海外の売上げに依存する傾向が強いため、円安は海外で日本の物を売る良いタイミングになり輸出関連企業の業績は向上します。グローバル展開中の企業も海外の売上を伸ばすことで業績を上げることができるでしょう。
・株価が騰がる
円安で業績を向上させる企業が増えれば景気も次第に上向きの傾向となり、株価は騰がりやすくなります。企業の業績が上がれば雇用が増え、従業員の賃金も向上するなど様々な部分でメリットがあるでしょう。
円安だから良いというわけではない
円安は日本円の価値が下がる状況ですので、他国の物を買う時には値段が高くなります。1ドル90円 なら100ドルの物を買う時に9,000円の支払いですが、1ドル110円 なら11,000円必要です。
この影響を受けやすいのは原油を使用するガソリンです。仕入れのための価格が上がれば販売額も上がります。
賃金は上がらず物価だけが上がる状況になれば家計を圧迫し、次第に人々はお金を使わなくなるでしょう。そうなれば景気はどんどん悪くなるという可能性もあります。
円安によって良くなる企業もあれば悪くなる企業もあり、それによって企業の業績、株価、雇用、賃金、そして最終的には景気がどうなるかに繋がっていくと言えます。