発行体、発行場所、通貨のどれかが海外の債券を一般的に外債と呼んでいますが、外債の中で通貨が日本円以外の通貨での発行のものを「外貨建て債券」と言います。
外貨建て債券での利金や償還金の受け取り通貨については、外貨ではなく円で受け取りたいという場合も可能です。
外債建て債券の必要性は？
日本は相変わらず低金利状態が続いていますが、日本と海外を比較した際に相対的に金利が高い国々は色々です。外貨建て債券は、そのような海外に目を向けることで金利が高い国でのメリットを享受でき、投資のチャンスを拡げることが可能です。
外国為替とは？
世界のそれぞれの国は、自国で流通するための通貨を持っています。日本なら円、米国のドル、オーストラリアは豪ドルが自国の通貨になりますが、これらの異なる通貨を交換することを外国為替と一般的に呼びます。それぞれの為替の動きで資産価値が変動することに注意しましょう。
外貨建て債券のリスク
高い金利に魅力がある外貨建て債券にもリスクがあります。主なリスクとして、債券（国債）への投資でデフォルト（債務不履行）という事前に債券の返済への不履行を引き起こす信用リスク、換金する際に受取額が変動する価格変動リスク（金利変動リスク）の他にも、為替リスクがあります。
・為替リスクとは
外貨建て債券など、外国通貨で利子や償還金が支払われる場合には、受取る際の為替水準によって円での受取り額や評価額が変わります。
円安になった時には、円で受取る金額は増えて為替差益を受け取ることができます。しかし円高になると、円での受取り金額は減って為替差損を被ってしまいます。このようなリスクを為替リスクと言います。
・円高円安とは
現在の為替が1ドル100円から1ドル90円になれば、1ドルの価値が下がりますので円高ドル安、逆に1ドル110円に増えれば１ドルの価値は上がりますので円安ドル高です。
外貨建て債券の為替リスクを減らすために
為替リスクを減らすためには、どのくらいの円高までならマイナスの収益を出さずにすむかを考えていきましょう。外貨建て債券は利率が高いため、円高への抵抗力はある程度あると言えます。
・為替の動きに注意
外貨建て債券による運用をしているけれど、結局償還の時が円高で損になってしまう可能性も否定できません。
そのため為替についてはマメに確認することが必要です。例えば1ドル100円のときに外貨建て債券を買えば、償還した時に1ドル100円より円安なら外貨を円に交換することで為替差益を得ることが可能となります。逆に償還時が円高だと、円に交換した場合には為替差損が発生しますので注意しましょう。
