貯蓄を始める時には、一般的に他の人がどのくらいのお金を貯めているのか、どのくらい貯めれば良いのかが気になるという人も多いと思います。
実際どのくらいの額が貯蓄されているのか、何で資産を保有しているのかなどを参考に考えてみると良いでしょう。
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平均貯蓄額は1,000万円超えている?
日本銀行情報サービス局の金融広報中央委員会が実施した、2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、平均貯蓄額は1,078万円という結果が出ています。
この調査は世帯主が20歳以上で世帯員が2名以上の世帯を対象にして実施されましたが、熊本地震が起きたことで熊本県と大分県の192世帯を除いた8,000世帯に対して調査されています。
前回実施された2015年よりも100万円以上も金融資産保有額は減少していますが、中央値は400万円で前年と同じという結果になっています。
何の金融資産で保有している?
貯蓄の中身を確認して見ると、保有している金融資産は、預貯金55.3%、株式や投資信託などの有価証券16.1%、生命保険17.6%といった結果となっていて、多くの人が預貯金で資産を保有していることがわかります。
貯蓄ができていない世帯も以外と多い?
さらに金融資産を保有していない世帯は30.9%で、預貯金口座や証券会社などの口座の残高がないと回答した世帯は13.0%でした。
これが単身世帯になると、保有していない人は48.1%まで上昇し、さらに預貯金口座などがないという人は14.4%に増えます。
金融資産を持っている人の平均額は1,000万円を超えているのに、約3~4割の人はまだ貯蓄ができていないということになります。
しかもその半数以上が元本の保証される預貯金で保有されていて、貯蓄はできていても増やすということまではできていないこともわかるでしょう。
預貯金での保有は本当にベスト?
これから貯蓄をする人、既に預貯金などで金融資産を保有している人は、将来的に物価が上昇するリスクやインフレリスクについても考える必要があります。
インフレリスクとは、インフレーションで貨幣価値が下落し物価が上昇することで損失を被ることを言います。
インフレ率が年2%であれば、今100円で購入できるものを購入する場合、来年は102円支払う必要があります。
インフレが進むことで資産価値を減少させると考えられるでしょう。物価上昇よりも資産価値の上昇が低い場合には、実質的に資産は目減りしてしまうということです。
ただ保有しておくだけでは将来の備えとしては弱い
資産運用商品は、このインフレリスクに対応できるものが多いのですが、現金や預貯金、債券などはインフレリスクに弱い金融商品だと言えます。
100万円を預貯金で保有していたとしても、インフレ率2%が10年続けば約82万円の価値に目減りします。
これから貯蓄を始める人、既に1,000万円貯蓄している人は、このような将来的なリスクについても考えてお金を貯めることが必要になると言えるでしょう。