金融商品を選ぶことは特別なことだと感じていないでしょうか。自分にどのような金融商品が一番合うのかを選ぶのは、服やバッグ、自動車など自分に合うものはどれかを選ぶことと同じです。資産運用において金融商品を正しく理解していなければ自分に合う商品を選ぶことはできません。
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Step1.運用資金を目的別に分けてみること
まずは資産運用を「流動性資産」「安定性資産」「収益性資産」の3つに分けましょう。投資をした場合、自分が予測した通りに動いてくれれば利益を得ることができるでしょうが、異なる動きになれば損をしてしまいます。そのため日常生活に影響しない資産を流動性資産、ここ数年以内に使う予定がある資産を安定性資産、今すぐ使うことのない資産を収益性資産に分類して、目的に応じた資産管理を行い金融商品に投資していくようにすることが大切です。
Step2.誰にでも似合う洋服は存在しないことを理解する
例えば服を買おうと思った時に、何を基準に選ぶでしょう。好みの色や素材、形、値段、サイズなど何を重視するかは様々でしょうが、購入を決める時にはまず試着してみると本当に自分に合う商品なのかがわかります。売れ筋商品や人気のものでも、実際に着てみたら自分には合わないということもあるかもしれません。見た目や口コミだけで適当に選んだ商品や、何か不安を感じた商品は結局着ないままタンスの肥やしになっているけれど、しっかり試着して購入した服は後悔することなく着用し続けることが多いでしょう。金融商品も同じで、誰かに勧められたから、今これが流行っているからと内容も理解せずに適当に選んでしまうと長続きしません。自分のライフスタイルや運用スタイルに合っているかを確認しましょう。
Step3.商品の内容がよくわからないのに手を出さない
内容が理解できていないのに将来性などを聞いて何となく良さそうだからと購入してしまうと、その金融商品の売買のタイミングがわからないという結果を招きます。どのようなリスクがあるのかを理解していなければ、経済や為替といった金融市場の変動に対応できなくなります。理解できていないことはリスクを増大させますので、商品性を理解した上で購入することが重要です。
Step4.ポートフォリオを組むための金融商品の内容を知る
金融商品を正しく選ぶために資産運用の考え方を理解しておきましょう。資産を分散し、人的資本とのバランス取ること、そしてライフプランとの連動性について知っておく必要があります。これらを知った上での標準的なポートフォリオは、国内債券、国内株式、外国株式、外国債券がどれも25%と同じ割合であることです。ポートフォリオを組むにあたり、一般的に利用する金融商品の代表は次の商品です。
4-1.預金
日本人が保有する金融資産の代表と言えるものが預金です。流動性が高さから考えても、生活資金を運用するために活用できます。ただし全ての金融資産を預金に活用すると、将来のインフレリスクには対応できなくなります。お金の価値を下げることになりますので、他の金融商品と併用することが望ましいでしょう。
4-2.投資信託
それぞれの投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめて、専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品が投資信託です。運用成果は投資した額に応じてそれぞれの投資家に分配されます。投資の対象は、国内や海外の株式、債券、不動産など幅広く、資産を分散させるという意味でも有効です。具体的な個別投資銘柄は専門家が選び、運用も任せられるため投資が初めてという人向きの金融商品です。ただし投資信託は種類が豊富なため、どの投資信託が良いかを選ぶために「コスト」と「格付け」に注目しましょう。
4-2-2.コスト
投資信託においてのリターンはファンドの特徴や市場の動きで異なりますが、事前に予測することは困難です。リターンは予測できなくても、投資信託を運用するために必要なコストは事前に確認できます。コストが低いものを選ぶのは運用の成績を左右する要素になりますので意識しましょう。投資信託を購入すると、販売手数料、信託報酬、信託財産留保金の3種類が主に必要です。
・販売手数料
銀行や証券会社が投資信託を販売する時の手数料で、2~3%くらいかかるものが一般的ですが、ノーロード投資信託という販売手数料が不要の投資信託もあります。
・信託報酬
投資信託を管理・運用するための経費で、純資産総額に対して年0.5~2.0%くらいが一般的な割合です。
・信託財産留保額
投資信託から換金しようとした場合、組み込まれた株式や債券を売ってお金にすることになります。しかし株式や債券を売れば手数料が発生したり、場合によっては損をしたりすることもあります。これらのお金について投資信託を保有し続けている人だけに配分されるのは不公平なため、解約する人はペナルティとして信託財産留保額を支払うことが必要になります。
4-2-3.格付け(レーティング)
外部機関により格付けが行われていますが、各格付機関の評価で判断されます。運用方針にブレがなく、長期運用でパフォーマンスが良いファンドは高格付けとなることが一般的です。
4-3.上場投資信託(ETF)
ETFは「Exchange Traded Fund」の頭文字の総称で正式には「上場投資信託」という金融商品です。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など特定の指数に連動するように作られています。指数への投資になることで、個別企業のトラブルなどに振り回されることがないという特徴があります。
4-4.株式現物
株式現物は国内外どちらのものでもその会社への理解と洞察力が必要になります。長期保有を検討するのであれば、貸借対照表や損益計算書まで確認し、現在の外部環境、業界の見通しまで考察していくことになるでしょう。投資初心者にとってハードルの高い投資商品だということは理解しておく必要があります。
4-5.債券
国債、社債と、いずれにしても債券固有のリスクについて理解しておくことが必要です。国債はその国の特徴やリスク、社債なら株式と同等の分析力が必要になります。株式同様に、投資初心者にはある程度ハードルが高くなると言えるでしょう。
4-6.不動産投資信託(REIT)
不動産を購入し、賃料を収入として得ることになります。不動産値の上下が投資金額の増減に繋がると言えますので、安定して長期的な収入を望む場合には組み込むことも検討してみましょう。
4-7.ヘッジファンド
株式や債券に対して代替投資商品としてリスクを減らすためのものですので、様々な商品や手法を使い、株式や債券と異なった動きをするという特徴があります。圧倒的に海外の会社が多く、目論見書をしっかり読んで仕組みを理解しておくことが重要になります。
4-8.コモディティ(商品)
例えば金やプラチナなどの貴金属、小麦やトウモロコシなどの食料、天然ガスや原油などのエネルギーなど、商品そのものに投資を行うことも可能です。商品は需要と供給が価格を変化させますが、インフレリスクを回避することを希望するために貴金属を保有するといったケースが多く見られます。
まとめ
資産運用のための金融商品をもっと理解したい!自分に合う商品は何かを見つけたい!けれどやっぱり自分一人では決められないという場合にはセミナーに参加して専門家の意見を聞いてみましょう。自分のライフスタイルに合う金融商品を選ぶことが大切ですが、実際にどのくらいのお金を運用に回すべきなのか、効率良く運用できるためにどうすれば良いか、そして本当に運用が必要なのかなど、考えれば疑問も増えていくものです。セミナーなどで専門家の意見を聞くことにより、自分に合う金融商品を見つける良いきっかけになるかもしれません。まずは参加して見ることから始めましょう。