家計の貯蓄額の平均は?保険や有価証券も含むといくら?

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総務省が発表した2015年の家計調査報告によると、2人以上世帯の平均貯蓄残高は3年連続で増加し、1,805万円だと発表されています。
この額を見て、世間の人たちはこれほどたくさん貯蓄しているのかと驚いた人もいるでしょう。
しかし平均というとおおよそ真ん中あたりの位置を思い浮かべると思いますが、貯蓄などは「平均=真ん中ということにはなりません。

 

年齢によって貯蓄額に差がある

今回の2015年の総務省による家計調査報告は、貯蓄に預貯金、生命保険、有価証券などは含まれますが現金保有であるタンス預金は含まれません。
定期預貯金が超低金利の影響で減少傾向にあるものの、普通貯金、株式や投資信託などの有価証券は増えています。
さらに世帯主の年齢が高くなれば貯蓄額も増えていく傾向にあり、40歳未満の平均貯蓄は608万円ですが、60~69歳になると2,402万円、70歳以上2,389万円と大きくなります。
反対に負債は住宅ローンの支払いなどが影響してか、40~49歳が1,068万円と最も多いようです。

 

平均値と中央値には倍近い差がある

家計調査で見た家計の貯蓄額は平均1805万円ですが、保有する貯蓄額の多い順に世帯を並べるとちょうど真ん中になる世帯の貯蓄額(中央値)は997万円です。
全世帯の約3分の2を占める割合が平均値以下であると言え、全体の貯蓄額を押し上げているのは一部の富裕層世帯で、1割近い世帯は100万円未満の貯蓄額だということもわかっています。

 

元本保証される商品に偏った傾向に注意

今回の家計調査報告で注目したいのは、平均値や中央値ではなく、貯蓄に活用している金融商品が通貨性預貯金や定期性預貯金といった元本保証された商品に偏っているということです。
けっして元本保証が悪いわけではありません。定年退職が近くなればリスクの低い運用先へと少しずつ移していくことは必要だと言えます。
しかし若い世代であれば、ある程度リスクを取っていかなければ、将来のインフレに対応することはできずに実質元本割れしてしまいます。
資産の全てを日本円で保有せず、外貨なども組み込んだリスク分散を検討することも必要になります。海外に一部の資産を保有することもリスクを分散させる上で検討すべきことです。

 

世間の平均値だけにとらわれないことが重要

貯蓄額の平均値だけで現在の標準的な世帯だと判断するのではなく、それぞれ家計の置かれた状況は様々であることを理解しながら、自分ができる範囲で貯蓄を増やしていくことが大切です。
平均ではなく中央値に注目し、さらには保有する金融商品は現在のままで良いかについても検討していくことが必要だと言えるでしょう。
元本保証のある金融商品に偏りすぎているなら、将来のインフレに対応できるかを今一度考えてみるようにしましょう。

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