金融緩和で世の中のお金が増える?
ニュースなどメディアで耳にすることが多い「金融緩和」。聞いたことはあるけれど何なのかはわからないという人もいるでしょう。金融緩和は、簡単に言うと日本銀行が現金を発行することで世の中のお金の量を増やすことです。
金融緩和の目的は景気回復
世の中のお金が増えれば手にする給料も増えるでしょう。そうなれば国民の財布の紐もゆるくなり、商品やサービスなどが売れるようになります。商品やサービスを買う人が増えればそれを作っている企業もたくさん作ります。たくさん作ってたくさん売れれば儲けも増え、人手が足りなくなれば雇用も行われます。こういった景気の回復を目的としています。
金融緩和とは貸し付けを増やすための政策?
お金が世の中に流れるために、まず日銀がお金を発行して民間の銀行に渡します。民間銀行は受け取ったお金を企業や個人へ貸し付けます。お金の流れはこの貸し付けという方法が前提になるため、誰も借りなければお金を増やしても意味がありません。このため景気に刺激を与えるために、貸し付けを増やす政策を行っているのです。
具体的な現在の金融緩和とは
金融緩和にも色々と種類がありますが現在行われている方法としては、日本銀行が民間銀行などの保有する国債を買い取る方法です。耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、これを「量的緩和」といいます。
日銀は国債を買った代金を民間銀行に支払いますが、その際に日銀が新しく現金を発行して支払います。現金を発行することでお金の量が増えます。民間銀行は国債を売ったお金で企業や個人に貸し付けを行います。
直接的にお金を増やす方法もある
また、世の中のお金を増やす方法がもう一つあり、それは日銀の国債引き受けです。量的緩和とは違って政府が新しく国債を発行して日銀が直接買い取るという方法です。
日銀が直接買い取ることで直接政府にお金が入ります。量的緩和は民間銀行へ入るお金が入るので、企業や個人が民間銀行から借り入れを行わなければそこで停滞しますが、直接入ったお金を政府が使うことで世の中にお金を流す事ができます。
国債をこれ以上増やして大丈夫?
日銀は政府の銀行です。日銀の持っている国債に対して利息を払うのは政府ですので、増やし続ければ利息が増えます。ただし、利息は日銀の収益です。日銀が政府の銀行ということは、日銀の収益は政府に納めることになりますので、結局政府が支払った利息は政府に戻る仕組みになっています。
国債が満期になっても、満期が来て政府が払い戻す際にはまた同じ額の国債を発行して日銀が引き受けするという借り換えを行うと同じことです。国際を日銀が直接引き受けることはこの借り換えがずっと継続できるということなので、返済できなくなることはないでしょう。
まとめ
金融緩和によって世の中にお金が流れだせば景気が良くなり、企業も借り入れを起こすようになるでしょう。景気が良くなれば税収も増やすことができ、国債を発行することも減らすことができます。使われなかったお金が動き出すことが必要なのです。