進む高齢化の社会の進行状況は?高齢化率の上昇

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世界全体で人口爆発が生じており、1950年の25億人から2011年には70億人となり、2050年には93億人に達するのではないかと予想されています。その人口増加と同時に上昇しているのが高齢化率です。2010年の7.6%から、2060年には18.3%という数値まで上昇が見込まれています。

高齢化率とは?

65歳以上の高齢者人口が、総人口に対してどのくらい占めるかの割合を示したものが高齢化率です。高齢化率が7%を超え14%に達するまでどのくらいの年数が必要だったかという部分でそれぞれの国を比較した場合、ドイツは40年、イギリスは47年、フランスが115年という結果でした。日本の場合は1970年に7%を超えて14%に達したのは24年後の1994年です。他国と比較した場合、日本の高齢化は世界の中でもかなりの早さで進行していることがわかります。

超高齢社会に既に突入中の日本

日本の人口は2000年の国勢調査から1億2,700万人前後を推移しています。これが2030年には1億1,662万人と1億2,000万人を切り、2060年には9,000万人を割り込むと予想されています。人口は減少するのに高齢化率は上昇する傾向にあり、2025年には高齢化率約30%、2060年には約40%まで達すると予想されています。

世界保健機構(WHO)や国連での定義によれば、高齢化率が7%を超えた場合には「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えた段階で「超高齢社会」と判断するようです。現在の日本は既に超高齢化社会といわれる高齢化率を大きく上回っています。

生産年齢人口の減少の問題

高齢化により生産年齢人口が減少することも懸念されています。生産年齢人口が減少するということは経済成長に大きな影響を与えることになります。高齢化が進む日本の生産年齢人口のピークは1990年代でした。そこからは減る一方で、2030年には2010年と比べると約1,300万人減少し、2050年には約3,100万人の生産年齢人口が減少すると見込まれています。

高齢化が進むことで世の中に与える影響

まず社会保障給付費は一般会計の3割超を占めるほどまで増加しています。医療費は2025年には52.3兆円、老人医療費も24.1兆円まで増加すると予想されています。

そして社会保障費が増加するだけでなく、介護の負担も増加することが懸念されています。主な介護者の構成割合は一緒に生活している配偶者や子供という家族介護が中心ですが、核家族化がますます進展して平均世帯人員数がさらに減少すれば介護者にかかる負担が大きくなるため受け皿の整備が必要となってきます。

頼れる環境と頼るための備えが必要に

社会全体で高齢者を支え、家族以外の介護者の手も借りられるような社会システムを構築していくことが重要です。高齢者単独もしくは世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯の割合は今後も上昇し、2035年には68.6%になるとも言われています。孤独死なども懸念されることから、さらなる福祉環境の整備なども必要になるでしょう。高齢者となる一人ひとりも、そのような介護サービスや福祉施設を頼るための備えも検討しておく必要があります。

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