毎月分配型投資信託で注目したいのは「分配金余力」!

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分配金の健全性を判断するものに「分配金余力」があります。分配金余力は、足元の分配水準があと何か月継続できるか判断する数値を表すものです。
分配金原資を計算時点の分配金で割って分配余裕月数が何か月かを算出し、今受取っている分配金が今後どのくらいの期間継続できるかを知ることができます。

 

分配金原資とは?

分配金原資は月々の分配金のストックで、基準価額の中に蓄積されているものです。そのため決算時に分配金を支払った場合にはその分基準価額は低くなります。
当期利子配当収益と当期売買損益といった当月の儲け部分と、収益調整金や分配準備積立金といった過去の儲け部分を合算することで算出できます。
それぞれの数値については、運用会社が開示している運用報告書で確認することが可能です。

 

基準価額が1万円を割り込んだファンドも多い

毎月分配型ファンドの分配金は、毎月の売却益と配当収入に加えて前期からの繰越分配対象額を足した分配可能原資から捻出されます。
高利回りである海外不動産投資信託に投資するタイプの場合や通貨選択型の場合には、毎月分配型ファンドが定番です。
これまで根強い人気を誇っていましたが、実力以上の分配を実施してきたことで基準価額が1万円を割り込むことになったファンドも多く存在します。

 

高水準の分配のファンドは無理をしている?

高水準の分配を行うファンドは、どれもすべて無理をしているファンドかというとそうではありません。
しかし為替の先物取引やオプションを活用するといったように、高水準で分配を実現するため追加的リスクを取るファンドがほとんどです。
基準価額の変動幅も相対的に大きいので、それぞれのファンドの特徴を確認した上で購入を検討するようにしましょう。

 

健全な分配金のファンドとは?

月々の分配金は100円未満と少額でも、余裕月数が36か月以上で健全な分配水準を維持できているファンドもあります。
余裕月数が長いファンドは分配金余力が大きいファンドです。分配水準を今のまま継続できる可能性が高くなります。良好な運用成績、恒常的な資金流入など、基準価額の高いファンドが多い特徴もあります。
健全な分配金とは、利子配当収入の範囲で捻出された分配金です。元本が取り崩されることが少ないことで基準価額が高く、余裕月数も長いものが多いという特徴があります。
たったの数十円の分配金だと思うかもしれませんが、この水準こそが実力通りの健全なものだと言えるでしょう。

 

分配金余力の大きいファンドの選択を

中長期に渡りキャッシュフローを安定させたまま確保するのであれば、分配額にとらわれることなく余裕月数が長いファンドを選ぶほうが賢明です。
毎月分配型投資信託の分配金で注意することは、分配金が高いファンドが必ずしも成績の良いファンドとは限らないということ、分配金は儲け部分のみから支払われているとは限らないということ、分配金が高いファンドは過去に儲かった部分から払い出されていることが多いということです。

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