少子高齢化による年金への不安
急速に少子高齢化が進んでいる日本。もう既に4人に1人以上が65歳以上であるという高齢社会に突入しています。そうなると将来の年金、介護、医療、介護などの社会保障に対しての不安は増すばかりですが、負担は赤字国債といった形で将来に先送りされているのが現状です。年金破綻を感じさせる日本の高齢化の特徴には次のようなものがあります。
高齢化の比率の高さ
現在の日本の65歳以上の人口は直近の統計によると人口の約4人に1人以上。これは世界の国々で最も高い比率です。先進国の中で日本の次の多いのはドイツやイタリアですがそれでもまだ2割程度です。2035年頃には日本は人口の3人に1人が高齢者、2060年ごろには5人に2人という割合で高齢人口の比率は大きくなるばかりです。
高齢化へのはやさ
日本はとても速いスピードで高齢化が進んでいますが、高齢化の速さを計る尺度(65歳以上の高齢人口比率が7%から14%になるまで何年必要だったのか)で判断することができます。日本が7%の比率になったのは1970年で、14%を超えたのは1994年。かかった期間は24年です。これに対してフランスは115年ですので、4倍以上の違いがありフランスは高齢化へのスピートがとても遅いということがわかります。
75歳以上の高齢者の割合
高齢者は65歳以上の年齢を指していますが、その中で75歳以上の人はどのくらい存在するのでしょう。現在は比較的若い高齢者である65歳から74歳までと75歳以上の高齢者の割合いは1:1です。これが2025年には、第一次ベビーブーム世代である団塊の世代の人たちが75歳以上になります。そのため比較的若い高齢者と75歳以上の高齢者の比率は2:3へと変化します。さらに2060年になるとこの比率は1:2と倍近く数に変化を見せます。
なぜ75歳以上の高齢者の割合を見るのかというと、75歳を過ぎると医療や介護のサービスを受給する確率が格段に高くなるからです。
これでも年金は破綻しない?
このような状況では年金はいずれ破綻するのではないかという不安を感じるのも無理はありません。年金はマクロ経済スライドを導入しており、物価が上昇すれば物価の上昇以下までしか給付額は上がらないという仕組みになっています。そのため給付額は抑制されていくことになります。そのため高齢者の人数が増えても以下のペースでしか年金は増えて行かないということになります。年金は現役世代から保険料を徴収し、そこから給付金を支払うという仕組みです。保険料の改定、給付水準の改定が実施されることにより年金制度自体は持続できるでしょう。
年金は破綻しないから大丈夫?
例え年金が破綻しないとしても、給付額が減額されることは予測できます。現状維持のままでは無理があると考えられるでしょう。そのため年金だけに頼るということは非常に危険で、自分で老後資金を前々から準備していることが必要だと言えるでしょう。