今の国の年金制度に不信感を抱いている20代や30代の方は多いと思います。自分たちの世代になれば年金がもらえるかどうかもわからないのに今支払わなくてはいけないの?と疑問視する声も聞こえてきます。不安を少しでも解消するためには、年金の仕組みを知っておく必要があります。新聞やテレビのニュースなどで数多く取り上げられていることで、年金制度に詳しい人もそうでない人もこのままでは将来年金にあてるお金が不足するのではと心配しています。「このまま」という年金制度の仕組みはどうなっているのかをまず確認しましょう。
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1.国民年金は加入義務
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入するという義務があります。サラリーマンなど会社勤めの人の場合は、厚生年金に加入することがほとんどですので自動的に国民年金にも加入していることになります。会社勤めの人が加入する公的年金は国民年金と厚生年金の2階建ての仕組みになっているからです。
2.年金をもらうには決まった期間納める必要がある
厚生年金は収入によって保険料が決定し、支払った保険料によってもらえる年金額が決まる仕組みになっています。現在の年金制度(平成28年現在)では年金を受け取るには25年以上の加入が条件でしたが、平成29年4月から10年以上に短縮されます。
3.現役世代が払った保険料が今の高齢者の年金
公的年金はこれまで様々な変遷を経た状況で今があります。現在は現役世代が納めた保険料で今の高齢者が受け取っている年金をまかなうという世代間扶養の仕組みになっています。自分が積立てている年金がどこかに保管されて、それを将来引き出して使うという仕組みではありません。
これが大きな問題で、少子高齢化が進む日本は高齢者が増える一方で子どもの数が減る一方です。将来少なくなると予想される現役世代が人数の増えた高齢者を支える時代がやってくるのです。
4.年金制度は見直しされないの?
国の年金制度は収支を5年ごとに確認して今後の見通しを示すことになっており、改正も行われます。今の制度がずっと続くわけではなく、今後も見直されながら継続されるでしょう。例えば高齢者や女性が働きやすい環境を整えて保険料を払う人を増やす対策の検討や、受けとりをはじめられる年齢を65歳よりも後に延長するということも検討されています。
5.将来もらえる割合はどのくらい?
受け取ることができる年金の水準は今より低くなる可能性は高いと考えられますが、現在では収入の6割程度の年金が5割に減ると予想されています。これはあくまでも標準的な世帯の割合で、夫婦の年金を合計してのことです。単身の場合は年金も1人分なのでさらに低くなると予想できます。将来の公的年金だけで老後の生活を維持するのは難しくなるかもしれません。