これから超高齢化社会が加速していることや、年金に対する問題などが社会問題として取り上げられている記事を新聞やテレビなどで目にすることも多いでしょう。高齢化社会というのは、高齢者が多いから問題になるのではなく、全ての人口に対する高齢者の人口比率が高くなることが問題なのです。
ですから問題として取り上げられる時には「高齢化」の前に「少子」という言葉が付き、「少子高齢化」問題と言われます。少子化問題が解消できたら、高齢者の人口比率も低くなるので結果的に高齢化社会が進むことの足どめになるというわけです。
1.年々増加する高齢者の割合
総人口から見た65歳以上の高齢者の割合は年々増加傾向にあります。その一方で出生割合は減少しています。平均寿命が延びて高齢者人口が増加しているのに少子化によって若年人口が減少するという理由が高齢化社会を進行させています。
2.高齢化と年金、何が問題?
一番の問題になるのは医療や年金といった社会保障の部分です、その財源は日本経済を支える現役世代からの税金でまかなわれています。構造としては今仕事をして納めている税金が今の高齢者を支えるという仕組みですので、将来働き盛りの若者が減り、高齢者が増加すると現役世代にかかる負担が大きくなります。例えば2015年は65歳以上の高齢者1人を現役世代2~3人が支える形ですが、これが2060年には高齢者1人に対して現役世代1.3人という割合になります。予測されるのは増税と社会保障の減額です。
3.もらえる年金が少しずつ減っているのに保険料が上がる?
老齢基礎年金はここ数年少しずつ減額されています。年金制度を維持するためには、年金保険料を引き上げるか高齢者への年金給付を下げるかの方法が検討されます。現在の対策としては、年金の受給の開始年齢を60才から65才に引き上げをしたり、年金受給の辞退ができるような制度を設けるなどされています。そして基礎年金への国の負担率は3分の1から2分の1へと引き上げ、保険料も段階的に引き上げるなどされています。
4.高齢者の現状と将来は?
仕事をしていない高齢者世帯の家計では年金だけでは生活ができず、毎月預貯金などを切り崩して生活するという実態があります。老後に家計が赤字になることを防ぐためにも、世の中の流れやお金に対する知識を身につけておくことが大切です。もちろんお金を貯めるということも大事ですし、貯めたお金は増やしていけるような運用に目を向けることも大切です。老後への備えがこれからどんどん必要になる時代がやってきています。