この春から年金手帳が廃止に!その理由は変更点を解説

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就職や転職時に、年金手帳やそのコピーを会社に提出した覚えのある方もいるでしょう。そんな年金手帳ですが、実は今年4月に廃止になったことをご存じでしょうか? その理由や廃止後の変更点について解説していきます。

年金の管理に欠かせなかった年金手帳

日本国内に住んでいる人は、20歳~60歳まで国民年金に加入する義務があります。現役世代が年金保険料を納めることでシニア世代を支え、いざ自分がシニアになったら子ども世代に支えてもらうという「世代間扶養」で支え合う仕組みになっているからです。

そんな大切な年金を管理するのに欠かせない存在だったのが「年金手帳」。1人に1つの基礎年金番号のほか、氏名、生年月日、交付年月日、国民年金の記録、厚生年金の記録などが記載された紙の手帳です。20歳の誕生日を過ぎると、日本年金機構から年金手帳が送付されてくるのが通例でした。

また会社勤めの場合、就職・転職の際に年金手帳を会社に提出する必要がありました。これは、厚生年金や健康保険への加入手続きなどで基礎年金番号などの情報が必要になるため。そして渡した後は、変更手続きや紛失防止のために会社が退職時まで預かるケースが一般的でした。ですから転職をしたことがなければ、「入社以降ずっと会社が保管しているから年金手帳の存在をほとんど意識したことがなかった」という感じだったとしても、おかしくはありません。

名刺サイズの「基礎年金番号通知書」の発行

この年金手帳は、最初に交付された1974年から長らく年金の被保険者証として運用されてきました。しかし、被保険者情報はオンラインシステムで管理されるようになり、加えて2016年に導入された個人番号(マイナンバー)の導入もあり、手帳の形式をとる必要性がなくなりました。そのため2020年の法改正で年金手帳の廃止が決定し、代わりにこの4月から「基礎年金番号通知書」が発行されることになったのです。

基礎年金番号通知書は名刺サイズの紙で、基礎年金番号、氏名、生年月日、交付日が印刷されたシンプルなものです。すでに年金手帳を持っている人にはこの通知書は発行されませんが、年金手帳を紛失した場合などには、年金手帳ではなく通知書が発行されることになります。

なお、基礎年金番号がなくても、マイナンバーさえわかれば年金の相談や照会は可能です。基礎年金番号やマイナンバーのどちらかが分かっていればよいという点で、私たちにとっての利便性も高まっているといえるでしょう。

年金手帳は保管しておきましょう

ただし、「4月の廃止に伴って会社から年金手帳が返却されてきたが、マイナンバーで事足りるなら捨てていいのか?」というと、そうではありません。海外に転出した場合や国民年金保険料の口座振替申し出の手続きなどで、基礎年金番号で手続きを行う場合もあるため、基礎年金番号が記載された年金手帳は今後もしっかり保管しておきましょう。

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