為替相場の動きを知る中で必ず出てくる「日経平均株価」は、投資に興味がない人でもメディアなどから耳にしたことがあるという人も多いものです。
日本の株式市場の相場全体の動きを読み取るための指標を日経平均株価と言い、東証第1部に上場している銘柄の中から選ばれた225銘柄の平均株価を表します。
日本を代表する企業の株価の平均値ですので、日本の景気の良悪を判断する指標になると言えるでしょう。
日経平均株価が上がるとドル円も同時に動きを見せますが、これはどうしてなのでしょう。
為替と株価が連動する?
為替と株価のどちらが先でどちらが後ということはなく、この2つは常に連動して動いています。
円安になることで得するのは輸出企業と考えられていますが、外国にとっては日本製品を安く買えることになりますし、日本も外国に商品を売って得たドルを円に換えた時はより多くの円を得ることができます。
日経平均株価が動く理由
円換算した時に多くの円を得ることができれば売上と利益が上昇します。それは企業の業績向上に繋がりますが、業績が良くなればその会社の株を購入する投資家も増え株価も上がります。
輸出に直接関わっていない企業も、関連企業として連動しているため同時に株価が上がることもあるでしょう。このような動きが「日経平均株価」を向上させることになります。
株が下がれば円が買われる?
現在の株式マーケットは海外投資家の比率が高い傾向にありますが、日本株は外貨では購入できません。そのため日本株を求める海外投資家は日本円へ両替して購入することになります。
しかし両替をしてしまうと株価の変動リスクの他にも通貨の為替変動リスクも抱えます。リスクを回避するために、両替ではなく日本株を購入した時と同じ金額分、円の売りポジションも同時に持つことが一般的だと言われています。
逆に日本株を売ることになれば、円の売りポジションも同時に解消しますので円には買いが発生します。
海外投資家の動きが関係する?
海外投資家が日本株を保有している場合、その株の株価が下がれば証拠金維持率が下がり、強制決済になる可能性もあります。
長期的に保有したい株が強制決済にかかることは避ける必要がありますので、証拠金維持率を上げるために円を買い増しし証拠金を増やすという動きによることも理由として考えられます。
連動する動きを把握することが大切
海外投資家の株と円はセットで売買する動きや、株価が上がれば円を売り株価が下がれば円を買うという取引の特徴を理解しておきましょう。
日本の景気を知る指標となる日経平均株価とドル円の動きは連携して動きを見せますが、その背景を知っておくことで現状を知ることができるでしょう。