年金を受取る高齢者はこの先増え続けると考えられます。現役世代が減少し、高齢世代が増えることで公的年金などの財源が不安視されています。
個人年金保険はそのようなじぶん年金づくりに活用できる方法ですが、個人年金保険には円建てと外貨建ての2種類があります。
いずれも将来の備えに有効な手段として注目されているわけですが、円で購入する円建てにするのか、それともドルやユーロなど外貨で運用する外貨建てにするのか、それぞれの特徴などを理解した上で検討することが必要です。
円建ての個人年金保険の特徴
円建ての個人年金保険は、円で積み立てていくので円レートに連動して運用されています。為替変動の影響を受けることがなく、将来的に受け取ることができる満期保険金や解約返戻金の見通しも付きやすいと言えるでしょう。
外貨建てと比較した場合には利率が低く設定されていますが、堅実な積み立てを希望する場合に向いている個人年金保険だと言えます。
外貨建ての個人年金保険の特徴
外貨建ての個人年金保険は、円建てのものより利回りが高いという特徴があり、長期間運用する場合は受取額に影響していくと言えます。
さらに予定利率が高いため円建ての個人年金保険より保険料が安く、円より高い金利の通貨で運用できますので効率的な貯蓄が可能となるでしょう。
ただしリスクへの理解も必要
ただし外貨を円に変える時に為替手数料がかかるということ、契約時より円高だった時に為替の差で損失が生じる可能性などがあります。
反対に満期時や解約を行った時期が契約した時に比べて円安になっていた場合には、為替レートの差が利益となり、高い金額の満期保険金や解約返戻金を受け取ることが可能になるでしょう。
生命保険料控除の対象にもなる
外貨建て年金保険の場合には、保険料の支払い、保険金や解約金等の受取りなど、外貨建てで行われるため、基本的な仕組みは円建ての年金保険と同じでも予定利率の違いや抱えるリスクが変わることを理解しておきましょう。
さらに円建て年金保険と同じく、保険料は「個人年金保険料税制適格特約」を付加して所定の要件を満たすことで年末調整や確定申告の時の「個人年金保険料控除」の対象になります。
じぶん年金の形成を
為替リスクはあるものの、上手くリスクを許容できれば分散投資の一環となるので資産形成に役立てる可能性があります。
個人年金保険はじぶん年金を作る目的のために色々な工夫が施されています。他にもアメリカやヨーロッパの割引国債を購入することや、株式やETFなどの活用をじぶん年金とすることもできますので、個人年金保険と合わせて検討してみると良いでしょう。