子供のいる家庭の場合、将来子供が結婚して家族を持てばいずれは同居して生活を共にしながら一生を終えるということも選択肢として検討できます。
しかし子供のいない夫婦の場合、自立して生活をしていくしかないので老後資金は通常よりも少し多めに、そして確実に準備していく必要があります。
自立するためには人とのつながりなども大切になりますし、仮に夫が先に亡くなった場合には残された妻が生活に対しての不安を持たなくてよいように遺族年金についても理解しておく必要があります。
子どもがいない夫婦の老後
現在65歳以上の世帯の約6割が子供のいない、もしくは子供とは同居をしていないという状況です。
親と同居して面倒を見ているという子供もいれば、仮に同居でなくても何らかあの形で支援を行っているという人も多くいます。
実際のところ、子供がいれば仕送りや入所施設の費用の一部負担、外出の送り迎えなど様々な面でサポートしてもらうことに期待が持てますので子供の存在は老後のある種の支えの1つといって間違いないでしょう。
しかし子供がいない夫婦の場合には、その子供からのサポートが期待できない状況です。
子供のいない夫婦の老後資金
子供がいないからといって不安にならなくても大丈夫。それに代わるものを準備すればいいだけです。
支援が欲しい時には依頼できる人とそのための資金を確保しておきましょう。
最低限必要になる老後の生活資金として、夫婦で「現役時代の生活費×70~80%」、夫が先に亡くなってしまった場合の残された妻の生活資金が「(現役時代の生活費×80%)×70~80%」を目安に考えましょう。
予備費として、医療費や介護費用、娯楽費などを含めるとさらに1,000万円程度は上乗せして考えておくと安心です。
夫が亡くなった後妻がもらえる遺族年金は?
老後の柱となる公的年金額には、夫を妻が看取った後で妻が生活を営めるように遺族厚生(共済)年金の用意が行われています。
妻が厚生年金(共済年金も含む)に加入した期間がある場合には、次の2つの計算式のうち算出額の有利なほうで選択されて支給されます。
・夫の老齢厚生年金×3/4
・本人の老齢厚生年金×1/2+(夫の老齢厚生年金×3/4)×2/3
老齢厚生年金のほうが高額であればそちらから受給して遺族厚生年金は受給しないという選択も可能です。
子供がいない夫婦の老後資金の準備はお早めに
子供がいない夫婦の場合、老後は誰を頼れば良いのだろうと不安になることもあるでしょう。
しかし現在では様々な福祉施設などがあり、在宅でも支援を受けられるサービスも多いためそれほど不安を感じなくても大丈夫です。
ただしそれらのサービスを利用すること、そして安心した生活を営むには資金が必要になります。
通常よりも少し多めの老後資金が必要になるということを理解しておき、事前に準備を初めておく必要があるでしょう。