老後の備えは夫婦で5,000万円必要だと言われることがありますが、そもそも5,000万円という額は一生涯で自由に使えるお金の目安です。本当に5,000万円も蓄えておく必要があるのでしょうか?
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老後に5,000万円貯めるには…
60歳までに5,000万円貯めようと思えば、23歳から60歳まで毎月10万円ずつ貯蓄し年2回受け取る賞与の時も10万円ずつ貯金すれば5,180万円になります。
しかし毎月10万円ずつ貯金することは現実的ではありませんし、退職時に退職金を受け取ったとしても夫婦で5,000万円貯めることは貯金だけで達成することはかなり難しいでしょう。
5,000万円の根拠は?
平成25年度の生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」によると、ゆとりのある老後資金は月35.4万円と公表されています。
毎月35.4万円を男女別の平均寿命まで使い続けたとして、受け取ることができる公的年金総額を差し引けば5,000万円不足すると考えられています。
本当に毎月35.4万円必要?
毎月35.4万円という生活費はあくまでも「ゆとり」のある生活のための金額ですが、物価が将来上昇することを考えた場合には必要になる金額とも考えられます。
さらに公的年金だけで生活を賄うことは将来的には難しくなるでしょう。仮に60歳で退職した時に退職金を2,000万円受け取ることができたとしても、2,000万円から毎月10万円ずつ生活費を捻出すれば76歳でなくなってしまいます。
退職金を増やすことは可能?
では2,000万円を年利3%の複利で運用した場合はどうでしょう。そのままでは76歳で底をついた2,000万円の退職金は、83歳まで使うことができます。
年利5%なら96歳、年利6%なら毎月10万円ずつ使ったとしても元本が目減りなく使えます。必要になるのは貯金の取り崩しではなく、運用ということが言えるでしょう。
運用に必要になるものは?
しかし年利6%で運用することは決して簡単なことではありません。運用に必要なのは時間です。
先ほどの例のように23歳から60歳まで積立て運用していく場合、年利のない状態で毎月1万円ずつ積み立てても60歳時点では444万円ですが、年利7%で運用すれば2,000万円を準備することができます。
さらに2,000万円を年利6%で運用し、毎月10万円ずつ生活費として使ったとしても目減りなく使えます。
投資で運用して安心の老後を
高い年利で運用するにはそれなりのリスクも伴います。運用の知識や技術を身につけることが重要になりますが、老後資金の5,000万円を準備するためには投資を始めることができる年齢、毎月の投資額、年利などを踏まえて考える必要があります。
まずはどのような商品があり、自分の現在の生活に支障をきたさず長く続けることができるものを選択する必要があります。