世帯の平均貯蓄額は?中には4,000万円以上の世帯も!?

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総務省は2016年5月、2015年の2人以上の世帯を対象とした家計調査の結果を公表しました。これによると1世帯あたりの平均貯蓄残高は1,805万円となっており、わずかですが3年連続増加している傾向にあります。

中央値と平均値に大きな差がある理由

貯蓄は預貯金、有価証券、生命保険などの合計によるもので、平均貯蓄残高の中央値は1,054万円でした。平均値を751万円も下回る結果となったのは、平均値を上回る富裕層が32%いることと、平均以下世帯が68%を占めているため、偏った分布になっていることが原因だと言えるでしょう。

・有価証券の伸びが高い

4,000万円以上貯蓄がある世帯は12.1%という割合で、逆に100万円未満の世帯も11.1%存在しています。種類別で見た場合、最も伸びが大きかったのは有価証券で、株式や株式投資信託は9.7%という伸びが見られました。

高齢者の生活保護世帯は増加傾向に

4,000万円以上の貯蓄がある高齢世帯は2割弱いるのに対して、老後の貯蓄がないという世帯は4割を超えています。富裕層がいる一方で生活に窮乏している世帯もいることがわかります。

厚生労働省が発表した生活保護受給世帯は、今年3月の時点で163万5,393世帯という3か月ぶりに過去最高更新されるという状況です。さらに前年同月比では12,934世帯増加しています。

生活保護受給世帯は現役世代が景気回復の影響などで減少しているのに対し、高齢者単身世帯が受給世帯の46.0%を占めている状況です。

老後の支出はどう変化する?

老後の生活費はどのくらい必要になるかを考えてみた場合、60歳になれば生命保険料や国民年金保険料、住宅ローンといったものに支払いが終わることが多いでしょう。

しかし年齢を重ねていることによって、病院に通院する機会は増え、退職後にレジャーや趣味にと思わぬ出費が増えることになります。

老後に必要な生活資金額は?

様々なプラスアルファ分を踏まえて考えた場合、老後資金として必要になる額は会社員でも少なくて2,500~3500万円、自営業などの場合には6,500~7500万円は必要だと考えられます。

ちょうどこの真ん中に位置する4,000万円を目標に貯蓄をしていくことが理想ですが、公的年金制度が揺らがなかったという前提での金額ですので、制度の改革などで必要資金はさらに上がる可能性もあります。

老後に貧困生活を送らないために

現在の日本は高齢者間の貯蓄格差が激しいため、低貯蓄世帯は病気や介護の負担に耐えることができずに貧困生活を余儀なくされている状況です。

低年金で収入が減少する一方で、介護保険料など諸経費は増加していますのでさらに高齢者は生活が苦しくなってくるものと考えられます。

社会保障改革が実施されていても、それが目に見えて結果として出てくるのはかなり先のことになるでしょう。現役世代は今の高齢者の経済状況を直視して、自分たちが働けるうちに精一杯働いて老後資金に備える対策を講じていくことが望ましいでしょう。

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