税制が改正された時には、その時のトレンドに合わせた社会政策や景気対策で減税措置が図られることがあります。
設備投資減税とは?
設備投資減税は一定条件に従った設備を企業が導入する場合に減税措置を設けてバックアップするという制度です。
減税措置には「特別償却」と「税額控除」という方法がありますが、どちらの制度を選択するかは企業に委ねられることになります。
・特別償却とは
設備の減価償却費に追加し、導入年度のみ償却費を増やす制度です。初年度の経費計上額を増額できることで経費計上額分の税金を減額することが可能です。
・税額控除とは
設備の購入金額の何%かの法人税を減税する制度です。どのくらいの割合が税額控除できるかについては、適用する制度によって異なります。
中小企業投資促進税制
機械装置等の対象設備の取得や製作などを実施した場合、取得価額の30%を特別償却、もしくは7%税額控除するかを選択できます。
環境関連投資促進税制
新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得や製作、建設した場合に、取得価額の30%を特別償却、もしくは取得価額の7%相当額の税額控除を選択できます。
その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%に相当する額を超える場合には、20%相当額が限度になります。
生産等設備投資促進税制
制度の適用対象資産となるのは、生産等設備を構成する機械・装置、工具、器具・備品、建物、建物附属設備、構築物、一定のソフトウエアで規定されている取得価額要件を満たすものです。
特別償却限度額は取得価額の50%相当額(建物、構築物は25%相当額)です。税額控除限度額は取得価額の4%相当額(建物、構築物は2%相当額)です。
他にも認定支援機関の指導を受けて設備投資した場合の「商業・サービス業・農林水産業活性化税制
などがあります。
特別償却と税額控除はどちらを選択すべき?
特別償却か税額控除かのいずれかを選択する必要があります。どちらが有利かについては、は対象になる企業の状況などで異なります。
特別償却は初年度の減価償却費を多く計上することができる制度ですが、設備使用期間全体の減価償却費は設備投資減税を受けていない場合と変わらないため初年度のみにメリットがあることを理解しましょう。
税額控除制度は減価償却とは別で設備投資額の一定割合の税金が減税されますので、法人税が課税されている企業は税額控除制度を使ったほうが有利と考えられます。
設備投資減税を活用するにあたって
どの税制を活用する場合でも条件などがあります。また、特別償却と税額控除のどちらを選択するかについても、利益が出て法人税を納付している場合には税額控除を活用したほうが良いと言えます。まずは自社の状況を確認しましょう。