資産形成に投資信託を活用することを検討する人もいるでしょう。投資信託は預貯金と異なり、企業業績、景気、マーケット動向などの影響を受け基準価額が上昇と下落を繰り返す価額変動のある金融商品です。
この変動の相場や、売買のタイミングなどについて、ある程度の予想はできても確実に判断することは困難です。
そこで重要になるのが分散投資で、リスクを1つにまとめずに複数の投資先、時間、世界の国などに資金やリスクを分けるという手法です。この分散投資により、リスクの軽減が可能となり効果的に資産形成を行うことができます。
分散投資には種類がある
分散投資には2種類の分散の方法がありますが、資産の分散と時間の分散、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。
資産分散とは?
1つ企業の株式に集中させずに複数の企業の株式に分散させること、または株式だけを購入するのではなく、債券や不動産、金や原油など色々な商品に投資することです。
さらに複数の国や地域に投資先を分散させると、仮にどこかの国が天災や戦争に遭った場合でも資産が減少するリスクが回避できます。
・1つのカゴに卵は盛らないこと
投資の世界で良く使われる格言に、「1つのカゴに全ての卵を盛ってはいけない」という言葉があります。
1つのカゴに全ての卵を持っていると、そのカゴを落とした時に卵が全部割れてしまうからです。しかし複数のカゴに分けて持っていたら、1つのカゴを落として卵を割ってしまっても、他のカゴの卵は影響を受けず守られます。
卵を自分の資産に例えて考えると、同じ商品に全資産をつぎ込んでしまうと損失が大きくなる可能性がありますが、色々な商品などに分けて投資していることで1つがダメでも他は守られます。
もう1つ分散する必要があるのは時間
投資信託はこのような分散投資を可能とした金融商品で、複数の投資先、株式や債券、色々な国などに資産を分散投資することができます。
ただし値動きのある株式や債券等に投資をしているため、資産分散でリスクを分散しても値下がりのリスクは完全に回避することはできないでしょう。一度に投資したタイミングが値段の高い時なら、後に大きく値下がりするリスクがあります。
このような事態を回避するために、一度にまとめて投資せず時間軸を分けて投資を行う方法があります。これが時間の分散で、先ほどの卵に例えると「卵を一度にカゴに盛らない」ということになります。
・時間分散で単価を平準化
一度に購入せずに資金を分割して均等額ずつ、定期的に投資していくことで高値掴みによるリスクを回避するドルコスト平均法による購入が可能です。長期投資でリスクを抑制することで、単価を平準化することができます。
毎月定額を購入する投資信託で資産形成を
投資信託を使って毎月一定金額を購入していくことは、投資先だけでなく時間の分散も可能です。着実にリスクを回避しながら、将来必要な資金に備えるためにも資産形成の方法の1つとして検討してみると良いでしょう。